ローカリゼーションマップ

個人の経験や思いには普遍性がある 自分を起点にして書く理由

安西洋之
安西洋之

 もちろん、毎日これだけ多くの人がソーシャルメディアの個人投稿も含めて発信している状況で、ニュースへの感想や批判を書くのが、正直のところぼくには虚しいと感じられる。

 他の人が書いていることを、ぼくがやる必要もないだろうと思ってしまう。それはぼくの性向というか趣味みたいなものだ。そういう意味で、自分を起点にして書く理由を延々と書き連ねるのも、ますます「後付け感」が漂ってくる。

 あるいは自分の経験したことには自ら確信をもって書けることが多いので、さっさと文字数を埋められるという特典もある…いや、そういうわけでもないか。断定的な書き方にならないよう慎重になるとの面もあったか。

 それが証拠に、今回このように自分のことを書いていながら、案外の案外、馬脚を現さないような気を遣っていそうだ…と第三者的にここまでの原稿を読んでみての印象だ。

 あっ、これは1つはっきりと言える。自分を起点とすることで一人称単数を主語にした文章を書くのが、ちっとも怖くなくなった。これは結構、爽快な気分にしてくれる。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンゲリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する<意味>の戦略的デザイン』『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
Twitter:@anzaih
note:https://note.mu/anzaih
Instagram:@anzaih
ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。

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