CAのここだけの話

CAは見ている 乗り慣れた“プロ”のお客様がとるこなれた行動

山崎愛音
山崎愛音

 SankeiBiz読者のみなさんだけにCA(客室乗務員)がこっそり教える「ここだけ」の話。第84回はアジア系航空会社に勤務し、乗務2年目の山崎愛音がお送りいたします。

 今回は、私たちCAが「このお客様、飛行機に乗り慣れているな」と思う、いわば“飛行機のプロ”ともいえるお客様の行動や傾向をご紹介します。あまり飛行機に乗る機会のない方も、このポイントを抑えておけば機内で快適に過ごせるうえ、CAからの視線も変わるかも? ぜひ参考にしてみてください。

 1. 非常用出口前の座席は確保しない

 飛行機の最前列、また非常用出口前の座席は「足元も広く、快適で良い席なのだろう」と思っている方が多いのではないでしょうか。確かに足元は広いですし、お手洗いに行く際も他のお客様の邪魔にならず、身動きがとりやすいのは良い点ですよね。しかし、この席にはいくつかデメリットがあります。

 まず1つ目は、とても寒いということ。非常用出口付近は他のエリアと比べると冷房の影響を受けやすいため、かなり冷えます。機内ではご要望に応じて温度調節も行っていますが、全ての座席で同じ温度にすることはなかなか難しいのが現状です。

 2つ目は、手荷物を足元に置くことができないため、都度、頭上の物入れから荷物を取り出さなくてはいけない点です。緊急事態に備え、非常用出口は、全ての荷物を上の棚に収納しなくてはいけません。シートポケットもないので、スマートフォンや飲み物などを手の届く範囲に置いておけないのは不便ですよね。

 これらの理由より、乗り慣れているお客様は、あえてこの非常用出口付近は選ばない方が多いです。例えば、弊社ではより静かに過ごしたい方のために、10歳以上のお客様のみがご利用頂けるエリアがあります。よくご存じの方はこういった「ビジネスクラスよりはお手軽、かつ意外とお客様が少ない座席」を利用される傾向があります。

 2. ゴミをシートポケットの中に入れておかない

 お菓子のゴミや紙コップを、シートポケットに入れっぱなしにすることはありませんか?

 LCC(ローコストキャリア)ではお客様の降機後、CAも機内の清掃を手伝います。そのため上空では、FSC(フルサービスキャリア)に比べて、CAがゴミの回収で機内を回ることも多いかと思います。乗り慣れているお客様はLCCの事情をご存知なので、ゴミ回収のカートが回ってきたら、自ら進んで済んだ物を捨ててくれます。または、降機の際にシートポケットに入れるのではなく、座席の上にまとめておいてくださる方が多く大変ありがたいです。

 3. 快適に過ごすためのマイグッズを用意している

 飛行機をよく利用されている方々は、機内での過ごし方を工夫されています。

 特にLCCでは、機内エンターテイメントがなく、アメニティの用意もないことがほとんどです。そのため、ご自身でiPadやPCを持ち込んで好きな映画を観たり、お仕事をされています。また飛行機で休みたい方は、ネックピローはもちろんのこと、ブランケットや目元が暖かくなるアイマスクなどをご自身で用意されています。

 マイボトルを準備されている方もいます。日本の空港ではあまり見かけませんが、海外の空港では、無料の給水器が設置されている所もあるのです! 手荷物検査を終えた後に、マイボトルにお水やお湯を入れて持ち込めば、機内でも十分な水分補給ができ、機内の乾燥による喉の痛みなどを防ぐことができますよ。

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