今回の新ブランドロゴ、基本的には車両や店舗のロゴは従来のものを使い、SNSやウエブなどコミュニケーション用に使うとのアナウンスですが、「BMW Concept i4」という600kmの最大航続可能距離を実現したEVコンセプトカーのボンネットにはこの新しいロゴが飾られています。
やはりこの新ロゴデザインが、内燃機関時代のどこか油くさいイメージから、電気自動車の時代を見据えたクリーンさや軽快さを示唆していることは間違いないでしょう。
私はいつも自動車のマーケティングはオペラだ、と感じています。自動車という商品そのものが生活者が購入する商品として住宅以外では最も高価なこともありますが、関わる人数、舞台、仕掛け、予算すべてが大掛かりなのです。もちろんどんな意思決定ひとつをとってもそんなに気軽なものはなく、まして舞台金看板の架け替えともなれば喧々諤々です。
にも関わらず、今回BMWはあえて自ら打って出たわけです。ただならぬ決意を感じずにはおれませんし、バイエルンの新しい馬印が、自動車産業という戦場の風雲急を、否が応でも示しているように感じられてなりません。
【ブランドウォッチング】は秋月涼佑さんが話題の商品の市場背景や開発意図について専門家の視点で解説する連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら