社会・その他

AIで偽の声、海外でCEO装い2600万円 「今年以降、日本でも脅威になる」

 詐欺の例も確認されている。米紙ウォールストリート・ジャーナルなどは、英国にあるエネルギー関連企業のCEO(最高経営責任者)が昨年3月、ドイツにある親会社のCEOの偽音声による電話で送金を指示され、22万ユーロ(約2600万円)をだまし取られたと報じた。

 同紙などによると、ネット上などで公開されているCEOの声をAIに読み込ませて合成したとみられる。

 こうした詐欺を防ぐためには「指示してきた本人に一度電話などで確認を取った上で送金する」という対策が提示されてきたが、本物そっくりの音声の電話だと、そもそも「詐欺かもしれない」という発想自体が浮かびにくい。

 情報セキュリティー会社「トレンドマイクロ」は、こうしたAIを使ったサイバー犯罪が「今年以降、日本でも脅威になる」として、注意を呼び掛ける。

 担当者は「高額の送金が必要な時は指示を受けた1人だけではなく複数人の決裁が必要になる。デマへの悪用の場合、衝撃的な動画でもすぐうのみにせず、複数の情報源を確認するといった心がけが重要だ」と話した。

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