多くのクリエイターは料理を重要視するけど、どうなの?
「いや、全然だめ。実にテキトーだ」
味に興味ない?
「甘いのは大好きだ。チョコレートはとくに。高い方が美味いよね(笑)。カカオがたくさんでないのがいい」
こんなことを話していたら、だんだんとぼくが質問される側になってしまった。沢山のアイデアや構想がでてきても、それらをなかなか実践に移すことができない。この問題をどうやりくりしているのか?と。
ぼくは自分で独立して仕事を始めた頃、次のようなことをある人に言われたことがある。
「釣り糸をいろいろと放っておけば、どこかの浮きがピクピクと動いてくるものだ。そのタイミングを逃さないのがコツ」
このメタファーをよく思い出す。ただ、サーシャには別の説明が良いと瞬間的に思った。スマホやモレスキンのノートに思いついた言葉やフレーズをその場で記録しておき、数週間に一回くらいの割合でじっと眺める。
そして、たまにその突っ込みたいテーマをコラムに書いて深めたりする…ということを話したら、「前半は同じだが、コラムを書く時間なんて、どうやって見つけるのだ?」と聞かれた。
彼はもう少し余裕のある時間をもたないといけない、と思うタイミングがくるはずだと感じた。それほどに多忙で走り回る日々らしい。そんなコミュニティの世話役に名乗り出てしまう性格には無理な話か(笑)。
【ミラノの創作系男子たち】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが、ミラノを拠点に活躍する世界各国のクリエイターの働き方や人生観を紹介する連載コラムです。更新は原則第2水曜日。アーカイブはこちらから。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ローカリゼーションマップ】も連載中です。