第6回 ダブりなく考える<基本>
会議でもっと効率的に意思決定ができたら…。上司やクライアントをもっとスムーズに説得できたら…。仕事でこんなふうに思ったことはありませんか? この連載では、子供にロジカルシンキングを教える学習塾ロジムの主宰・苅野進が、SankeiBiz読者のみなさんに、ビジネスパーソンにとって重要なスキルであるロジカルシンキングの基本を伝えていきます。
「モレなく」考えるに続いて、今回は「ダブりなく」考えるがテーマです。
「モレなくダブりなく」は、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)の日本語訳で、ものごとの解決策を考える時に気にすべき基本的な作法です。考えモレとは、新規顧客のことだけを考えていて、既存顧客への対応を忘れていたなど考えるべき対象を見落とすことでフレームワークなどのチェックリストを活用して避けることができました。
今回のテーマである「考えのダブり」とは、「実際には同じものであるにもかかわらず、別のものであるかのように捉えてしまうことで、二重に対応をしてしまう」ことです。よくあげられる例は顧客を「男性」「女性」「若者」と考えてそれぞれ別の施策を考えたときに、「若い男性」と「若い女性」について二重に対応してしまうといった事態のことです。
分類のモレ・ダブりを確認するには、ベン図を活用するのが良いでしょう。「男性」「女性」「若者」の例をベン図に落とし込むと、このようになります。