中国観察
無人コンビニ、どうなった? 試行錯誤が続く中国の小売市場
盒馬鮮生ではアプリを使った宅配サービスも展開している。店舗からおおむね3キロ圏内では「30分以内配送」をうたう。利用者が自宅などから専用アプリで注文すると、端末で注文を確認した店舗スタッフが商品を袋に詰め、それを自社の配達員がバイクで届けるという流れ。一連の作業を「30分以内」で終え、配送料は無料としている。
「イノベーション(技術革新)により新しい業態が出てきている」
野村総合研究所(上海)の劉芳・主任コンサルタントはこのように指摘する。昨年1月にはEC大手の京東集団も生鮮スーパー「7FRESH(セブンフレッシュ)」の展開を開始している。
無人小売の厳しい現状
ただ、新たなビジネスモデルは課題も浮き彫りになってきている。その典型的なケースといえそうなのが無人コンビニだ。
「18年後半から無人小売業界で大規模な融資が出てこなくなった」
中国紙、南方日報(電子版)は4月19日の記事で、無人コンビニなどの無人小売が置かれた厳しい環境を強調した。同記事によると、無人コンビニの新規出店が目立った17年が「無人小売り元年」とされ、その年には総額40億元超の投資を集めたという。だが、18年に入ると早くも店舗撤退やリストラが目立つようになり、破産する企業も出るようになった。