そして、ネットに晒されてしまった場合はどうすべきか?
もう、これは「スルー」でOKである。「親書晒し」をした大物に対しては「本当にひどいですね」「許せませんね」「○○さんのことを軽く見過ぎています」といった信者からの擁護コメントが殺到する。これらを見たご本人は、よりお山の大将化が加速し、いたいけな若者叩きを扇動する流れになるかもしれない。
こうなったら、その依頼をした者(今回の場合はK氏)が、ますます「なんでオレは名前を間違えたんだ…」と落ち込むことだろう。そうなった場合は、上司なり同僚は「まぁ、しょうがないよ。今後はもっと丁寧に仕事を依頼しような。もう、××さんはオレらに怒ってるから仕事を受けてくれないと思うけど、別に他の専門家もいるから、無理して詫びる必要はない」と言い、むしろその若者の成長を期待する、というのが生産的である。「親書晒し」は、若干後ろめたさはあってしかるべきである。
ただし、本当に失礼過ぎる依頼をしたのであれば、当人に会い、誠心誠意謝罪すべきである。それは当然のこととして、今回はまぁ、「この程度のバカは目をつぶってあげても良かったのでは。当人に言うだけで、晒す必要はなかったのでは」とは思った。
【ビジネストラブル撃退道】は中川淳一郎さんが、職場の人間関係や取引先、出張時などあらゆるビジネスシーンで想定される様々なトラブルの正しい解決法を、ときにユーモアを交えながら伝授するコラムです。更新は原則第4水曜日。アーカイブはこちら