元受付嬢CEOの視線

プレゼン資料作りの極意 「小技」と「バランス」で苦手意識を克服する

橋本真里子
橋本真里子

 たとえば、上場企業が使う決算発表の資料。これの出来が株価に大きな影響を与えるといいます。それほどに、資料が変われば、見る人・聞く人の印象を変えられるということです。本気でプレゼンと向き合う場合、一度プロに作ってもらうと自分が作る資料もブラッシュアップされます。どういう意図でこういうスライドを入れているのか。会場の広さや照明の暗さはどのくらいか。そこまで考え、資料全体のトーンや文字の色味、大きさまで計算する必要があります。こうした“小技”を入れるだけで、聴衆の聞く意欲を向上させることができることを学びました。このような戦略的な工夫はなかなか自分ひとりでは考えが及びませんでした。

プレゼン技術に見合った「バランス」がポイント

 プレゼンがうまい人というと、アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。私がこれまで勤めてきた会社の代表も非常にプレゼン技術が優れていました。そんな彼らの資料は非常にシンプルです。ほとんど文字がありません。彼らは、資料がシンプルでもプレゼンで伝えたいことを自分の言葉で伝えることができるからです。これをプレゼン素人がやってしまうと大変です。緊張で話したいことが飛んでしまったら、資料にも情報がない…。結果的に何も伝わらないプレゼンで終わってしまいます。

 資料は、「自分のプレゼン力では足りない部分を資料でカバーする」といったことを考えながら作るとボリュームを抑えつつ、必要な情報が盛り込まれたバランスの良いものになると思います。基本的に、聴衆に資料を読ませるような構成にしてしまうと、人が話している内容は耳に入ってきません。

  • 視覚的に伝えたほうがわかりやすい数字などはグラフを使う
  • 機能やプロダクトの世界観など、資料に具体化して落とし込むことが難しい内容は言葉で説明する

 このようにうまくバランスをとると良いと思います。また、パワーポイントではアニメーションなどを使うことができます。こういった技術をうまく使い、自分のプレゼンに説得力を持たせるアクションを使うと効果的ですし、自分の自信にもつながります。

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