知恵の経営
経営にも通じる、イチローの会見
坂本洋介
会社経営は、トップとして常に社員の先頭に立ち、どんなつらい場面でも矢面に立ち、戦い続ける姿を見せることが求められる。その姿を見て、社員はモチベーションを上げ、チームとしてまとまっていくのだ。
さらに、プロで成功したことはという問いに対して、「成功かどうかはよく分からないですよね。全く僕には判断ができない。だから僕は成功という言葉が嫌いなんですけど。あえて成功と表現しますけど、成功すると思うからやってみたい、それができないと思うから行かないという判断基準では後悔を生む。やってみたいなら挑戦すればいい。その時にどんな結果が出ようとも後悔はでない。基本的にはやりたいと思ったことに向かっていった方がいいですよね」と答えている。
誰もが失敗したくないのは当然だ。これまでの歴史を振り返って見ても分かるように、成功者といわれる人は、自身が属する業界の非常識に挑戦することに迷わず、絶対に成功するという揺るぎない信念を持っていた。イチロー選手のように、「成功するかしないか」ではなく、「自分がやりたいかやりたくないのか」を判断基準にすれば、選んだのは間違いなく自分であり、自分で選んだ答えなら覚悟を持って挑めるはずだ。
単にスポーツ選手の引退会見ではなく、われわれに多くのことを気付かせる内容だった。
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【会社概要】アタックスグループ
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