どう伝えればいい? デリケートだけど切実なビジネスの「スメハラ問題」
こうした時、もっとも話を切り出しやすいのは、たまたま何も事情を知らぬ別部署の人間や来客が天真爛漫に「なんかこの辺、臭くありませんか?」とつぶやいたりしたときである。もしもそんなことがあり、Aさんが少しでも反応をした場合は伝える良い機会となる。
「Aさん、あなたの仕事ぶりには何も問題がないのだが、最近外部の人からAさんのニオイを何とかしてくれ、と言われてしまった。申し訳ない! 先ほどつぶやいた人も悪気はなかったと思うのだが、改善をしなくてはいけないのだと私も思っている。大変失礼なことを言ってすまないが、ひとつどうだろう、お風呂に毎日入ったり、頻繁に洗濯をしてもらえないだろうか…」
こう丁寧に、そして申し訳なさそうに、しかし仕事能力は高い、といったことを伝える必要があるだろう。Aさんになるべく恥をかかせないためにも、Aさんとの会話が周囲に聞こえないようにも配慮したい。正直この問題には明確な正解はない。「山田さん」になった場合は、誰もが傷つかないよう最大限の配慮をしつつ、なんとか問題を解決したいところである。なお、【3】のケースで天真爛漫にニオイを指摘した闖入者は、その部署にとっては「救い神」のようなケースになるものである。
なお、このAさん的な人物と同僚だった人物(エラい立場ではない)によると、「Aさんがいるであろう日中は外回りを積極的にする」「マスクをする」「やたらと窓を開ける」といった行動をし、少しでも気付いてもらいたいと考えたようだが、結局Aさん的な人は気付かず転職したのだという。
【ビジネストラブル撃退道】は中川淳一郎さんが、職場の人間関係や取引先、出張時などあらゆるビジネスシーンで想定される様々なトラブルの正しい解決法を、ときにユーモアを交えながら伝授するコラムです。更新は原則第4水曜日。