障害者アートで収益化
障害者の社会的な地位向上と平均賃金の上昇を目指し、持続的な収益化を実現するビジネスを展開しているのがヘラルボニー(岩手県盛岡市)です。具体的には全国20カ所以上の社会福祉施設と契約を結び、障害者が制作した2000点以上のアート作品の提供を受けています。それを踏まえ自社製品の販売チャネルとしてEC(電子商取引)サイトを開設しているほか、缶詰やハンカチなどのデザインに作品を活用するアートライセンス事業を進めています。
ESG投資の費用対効果を可視化
ビッグデータとAIを活用することでSDGsやESGを簡単に数値化できる「ESGテラスト」というプラットフォームを開発し、運営しているのがサステナブル・ラボ(東京都千代田区)です。ESGテラストはオープンデータを収集し整理・評価、社会価値や環境価値を定量的にまとめたもので、投資の費用対効果を可視化できるため、非財務情報のインフラとなる可能性を秘めています。
養殖と水耕栽培を同時に実施
プラントフォーム(新潟県長岡市)は養殖と水耕栽培を同時に行う「アクアポニックス」という技術を提供しています。魚の排泄物を植物の栄養として活用し、植物に与えて浄化された水を再び養殖水槽に戻す循環型農業に取り組んでいます。また、隣接するデータセンターに設置されたIT機器から出る排熱なども活用することによって、一歩進んだエネルギーの循環モデルを目指しています。
代替肉で米国に進出
ネクストミーツ(東京都新宿区)は代替肉の開発と製造販売を行っています。植物性たんぱく質を粉末から分子結合させる成形時のノウハウを蓄積した結果、独自の配合率や加工技術を確立し、肉の食感を引き出すことに成功しています。現在は月間150トンの量産体制を整えており、商社とのパートナー契約を締結したほか外食ブランドとのコラボレーションも進めています。国内での販路拡大とともに海外展開にも力を入れ、米国市場にも参入しています。
250円でワットを購入
チェンジ・ザ・ワールド(山形県酒田市)は、スマートフォンを通じ再生可能エネルギーの普及に貢献できるアプリ「CHANGE」を提供しています。約250円から簡単に「ワット」を購入でき、購入した「ワット」に応じて売電収入を得ることができるサービスです。貯蓄代わりに資産運用をしながら環境貢献ができることから人気が高く、現在のユーザー数はおよそ9000人で、1年で20倍ほど増えました。
SDGsの目標ごとには世界の市場規模が試算されています。最も大きいのは「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」で約800兆円です。「質の高い教育をみんなに」は最も小さいですが、それでも約70兆円で全体的には膨大な市場規模といえます。ビジネスチャンスは大きく、スタートアップの参入も加速するでしょう。
【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら