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コロナで成長に加速 SaaS系ベンチャーが新たな産業革命を実現

竹田亮士
竹田亮士

 米国ではSaaS企業を中心に、継続した雇用関係を結ばず1~3時間などの短い時間だけ働く、ギグワークという働き方が台頭してきました。このプロセッサー革命により、リモート対応のハードウエアが普及し世界規模で働き方改革が加速、新たなSaaSビジネスが誕生することでしょう。

 こうした動きを踏まえ、今回は2021年にさらなる成長が期待されるSaaS系ベンチャー、5社を紹介いたします。

 受付管理を効率的に

 RECEPTIONIST(東京都渋谷区)は受付や日程調整などの管理を効率的に行うシステムを提供しています。受付に設置された端末からチャットやスマートフォンのアプリを通じて担当者を直接呼び出すシステムで、社内の取次ぎ工程を削減する一方で、非接触による感染症対策が可能です。また、来客の履歴はクラウドに自動保存されるため、来客データの活用も行えます。

 アカウント管理を自動化

 イエソド(東京都千代田区)はSaaSのアカウント管理を自動化するプラットフォーム「YESOD」を展開しています。SaaSの平均使用数は1社当たりで20サービスを上回っており、管理することが困難になっています。このため入退社や組織変更のたびにアカウントを発行、変更する必要があるなど、さまざまな課題に直面しています。YESODはそうした問題を解決するシステムで、組織別の管理だけではなく情報漏洩リスクなどセキュリティの向上が期待できます。 

 製造現場の業務をデジタル化

 カミナシ(東京都千代田区)は作業チェックなどの業務をデジタル化するプラットフォーム「カミナシ」を提供しています。パーツを自由に組み合わせた現場管理アプリで、スタッフ自らの手によって作成できます。製造工場などでは機械のチェックを紙で管理し手作業でExcellに入力して報告書を作成するなど非効率な業務が多く、ミスも発生しがちです。カミナシを活用すれば効率的に対応できます。

 アナログな受発注業務をデジタル化

 CO-NECT(東京都千代田区)は、FAXや電話といったアナログな受発注業務を、簡単にデジタル化できる受発注システムを提供しています。発注者側はスマートフォンやパソコンから数クリックで申し込むことができ、FAX・メール通信、電話にも対応。取引先のインタフェースにかかわらず、自社のデジタル化を実現できます。受注側では京都の和菓子メーカーが導入後、月200時間の業務時間を削減することに成功したケースもあります。

 顧客生涯価値の最大化を効率的に達成

 一般的な顧客接点の手法はアナログ型で目的ごとにバラバラです。こうした課題を踏まえ、顧客とのコミュニケーションをデジタル化し集約、可視化することで効率的に運用できるのがコミューン(東京都品川区)のサービス「commmune」です。顧客生涯価値の最大化やカスタマーサクセス(CS)に必要な工程を短縮できる点が特徴で、導入先ではCS工数が月間で120時間も削減できたケースがあります。

 2021年も顧客接点のデジタル化は進み、リモートと出社のハイブリッドを前提とした働き方への適応が求められるようになるでしょう。DXとSaaSの勢いは加速する見通しで、さらに成長を遂げるベンチャーが台頭すると予測しています。

埼玉県出身。大学卒業後、家業の建設会社の継承と清算を行った後、IT系メガベンチャーにてフードデリバリー事業の立ち上げに従事。売り上げを商流ベースで40億円規模まで成長させた後、複数のSaaS事業の立ち上げを経て現職に。スタートアップ企業が大手企業の最適な担当者に最短で巡り会うことができるオープンイノベーションプラットフォーム「six brain」を立ち上げている。起業家とのネットワークを活かし様々なイベントでの情報発信に力を入れている。

【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら

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