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コロナで変わる旅をサポート 観光・レジャー系ベンチャーが需要回復を後押し

松島香織
松島香織

 移動できる家

 車中泊スペースとキャンピングカーのシェアリングサービスなどを展開するCarstayは石川県の里山で、金沢工業大学の学生と共同で、車を活用した新しい旅のスタイルともいえる地域密着プロジェクトを開始しました。軽トラックに木製の家を搭載した「モバイルハウス」の製作をはじめとして、地域住民を巻き込んで持続可能な観光拠点を開発するのが目的です。接触を避けられるため、車旅は非常に注目されており、他のエリアでも適用できるビジネスモデルとして脚光を浴びています。

 海外でもクリーン対策が進んでいます。シンガポールでは消毒・衛生管理で最高レベルに達していると認められた飲食店や学校、ホテルなどに対しては「SGクリーン認証」という品質マークを付与します。

 余暇から仕事へ

 最後に新しい働き方・暮らし方と観光の融合についてです。今までは余暇を活用して観光地を訪れていましたが、新たな働き方や暮らし方の選択肢が出てきたので、仕事という側面から地域を訪問する機会が増えました。これによって現地での生活や人との交流を通じ、一時的ではない強い結びつきを作るチャンスが生まれています。観光へのタッチポイントを広げるには好きな場所・時・仕事に合わせた拠点などを提供することがカギです。

 多拠点生活を提供するスタートアップのサービスも始まっています。好きな時に好きな場所で働くための住まいが見つかる定額住放題サービスで、滞在日数に応じたプランが複数あるため、働き方に合わせて臨機応変に利用することが可能です。滞在することにより自ずと周辺を観光しますので、生活者として地域を知ることができるサービスです。

 仕事では副業マッチングが急増していますが、シューマツワーカーは首都圏の企業・社員を対象として、地域の中小企業案件の副業に力を入れていく方針で、仕事を通じて地域を訪れる動機ができて、実際に移住に発展する事例もあります。

 今回は国内観光にかかわりのある6社のベンチャーを紹介します。

 施設の広さに応じた入場者管理

 アソビュー(東京都渋谷区)は遊び・体験の予約サイトを運営しています。1月の流通総額は前年同月比で約1.8倍でしたが、COVID-19に伴う外出自粛により4月は大きく減少しました。しかし、新しい施策によって再び成長戦略を歩んでいます。レジャー施設の密対策に着目し、チケットの購入手段を当サイトに絞ることで、施設面積に応じた適切な入場者数の管理を行えるようにしたことが功を奏しています。

 ガイド育成で品質向上

 ノットワールド(東京都中央区)は食べ歩きや体験などを半日から1日かけて楽しめる訪日外国人向けツアーを提供しています。

 COVID-19による影響を受けていますが、この期間を活用してガイドの育成事業に乗り出しており、育成者の数は5カ月で500人を超えました。これによってツアーの品質向上を図ります。また、地域の名産品を事前に取り寄せて自宅で食べながら参加できるオンラインツアーも始めました。

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