海外情勢
WHO年次総会、24日から開幕 権限強化やワクチンの供給拡大策など協議
【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)の年次総会が24日からオンライン形式で開かれる。6月1日まで。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、WHOの権限強化やワクチンの供給拡大策などについて協議される。
年次総会はWHOの最高意思決定機関で、全加盟国194カ国の代表によって構成。毎年5月に開催され、保健医療に関する重要政策を決定する。
今回の年次総会では、WHOの新型コロナ対応を検証する独立委員会による最終報告書が提出される。独立委は総会に先立つ12日に最終報告書を公表し、感染拡大を防げなかったのはWHOや先進国などの対応の遅れが原因と指摘。新たな感染症流行を防ぐ体制を整えるため、WHOの権限強化などを訴えた。
加盟国は最終報告書をもとにWHOの権限を強化するための具体策を協議する。一部の加盟国は、感染症が発生した際、WHOが当該国の同意なしに即座に情報を発信し、現地調査を実施できるように権限を強める方針を求めている。
将来のパンデミック(世界的大流行)に対応するため、感染症発生時の情報共有などに向けた各国の連携強化を図る枠組み条約についても話し合われる。米国が新型コロナのワクチンの国際的な供給を増やす手段として必要性を主張している特許の一時放棄の是非も議題になる見通し。
中国が反対する台湾のオブザーバー参加が総会の議題になるかは不透明だ。