国内

首相訪米に意欲も「2月」難航 米側慎重 電話会談もずれ込み

 政府はバイデン米大統領が電話外交を本格的に始めたことを受け、菅義偉首相とバイデン氏の電話会談を近く行うとともに、首相の訪米に向けた調整を進める。ただ、電話会談の時期は日本側の想定よりずれ込んでおり、首相が当初見込んでいた2月の訪米には米側が積極的ではない。早期の直接会談の実現は見通せない状況だ。

 電話での日米首脳会談について、加藤勝信官房長官は27日の記者会見で「可能な限り早いタイミングで実施すべく、現在、調整が行われている」と述べた。

 就任後の米大統領は隣国のカナダ、メキシコと旧宗主国・英国との会談を優先するのが慣例だ。日本政府は「第1グループ」直後の会談を見込んでいた。

 だが、フランス、ロシアとの会談が先行した。トランプ政権で傷ついた欧州の同盟国との関係修復やロシアとの新戦略兵器削減条約(新START)延長合意を確認するためとみられるが、バイデン政権が掲げる「アジア重視」を不安視する見方も日本側にはある。日米同盟の重要性を早期に首脳間で確認することも大切だ。

 一方、首相は27日の参院予算委員会で、自身の訪米時期について「最終的ないろいろな調整を行っているところだ」と言葉を濁した。昨年末には「できれば2月中には(行きたい)」と述べており、後退した感はぬぐえない。

 日米外交筋によると、米側は高齢のバイデン氏の感染対策に過敏となっており、外国首脳との直接会談も慎重に調整しているという。政府関係者は「欧州諸国にも同様の対応を取っている」と語る。こうした報告を受け、首相もトーンダウンした形だ。(市岡豊大)

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング