国内
ポストコロナの覇権拡大狙う中国 日本抗議も尖閣侵入は常態化
ポストコロナの軍事バランスを揺るがしかねない中国に対し、日本がよって立つのが日米主導の「自由で開かれたインド太平洋構想」だ。自衛隊と米軍はコロナ禍でも直接的な接触がない艦艇や航空機の共同訓練を続け、今月12日に航空自衛隊の戦闘機16機が米空軍の戦略爆撃機2機と編隊航法訓練を実施した。
米軍は環太平洋合同演習(リムパック)の8月実施も決めた。コロナの影響で開催が危ぶまれたが、各国の連携と対中抑止力が維持されているとのメッセージを発する意図もある。
自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長はシュナイダー在日米軍司令官ら米軍幹部と連絡を取り合い、危機感を共有している。河野太郎防衛相は先月中旬以降、米国、オーストラリア、インド、フィリピンなどインド太平洋に関わる各国国防相と電話会談を重ねている。「力による一方的な現状変更の試みに反対する」との方針を確認し、各国に連携を呼びかけているが、中国の行動を抑制させるまでには至っていない。(田中一世)