海外情勢

19年NY株は22%の上昇 対中協議進展、20年は伸び悩みか

 2019年12月31日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は米中貿易協議の進展を背景に反発し、前日比76.30ドル高の2万8538.44ドルと過去最高値に近い水準で取引を終えた。米利下げも追い風となり、18年末比の上昇率は22%に達した。年間ベースでは2年ぶりの上昇で、年間上昇率は17年(25%)以来の大きさ。

 世界の株式市場は1年前とは様相が一変。米国の株高が波及し、中国・上海の代表的な指数は22%上昇した。日経平均株価はバブル経済末期の1990年以来の高値水準をつけ、欧州の主要株式指数も軒並み上がった。

 31日は利益確定売りが先行したが、トランプ米大統領が米中貿易協議の「第1段階」合意の署名を1月15日に行うと発表したことが好感され、取引終盤にプラス圏に浮上した。ハイテク株主体のナスダック総合指数は26.61ポイント高の8972.60、幅広い銘柄で構成するSP500種株価指数は9.49ポイント高の3230.78だった。年間ベースではそれぞれ35%、29%上昇した。

 19年前半は米中貿易摩擦の激化から世界的な景気後退が意識され、足踏みが続いた。だが米連邦準備制度理事会(FRB)が10月まで3会合連続で利下げを決め、米中協議も進んだため最高値を連日のように更新。IT大手のアップルやマイクロソフトのほか、金融や小売りなど景気変動の影響を受けやすい業種の上昇が目立った。20年の米国株は、大統領選をめぐる警戒感から19年に比べて伸び悩むとの見方が多い。世界経済の再成長を見込んで一本調子で上昇したこともあり、貿易協議の「第2段階」への懸念が強まれば、楽観ムードが急変する可能性もある。(ニューヨーク 共同)

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