国内

消費増税で現場混乱 フィンテック企業から事務負担軽減サービス続々

 10月の消費税増税で事業者の対応に遅れが懸念される中、ITと金融が融合した「フィンテック企業」のサービスに注目が集まっている。中小事業者にとって税率引き上げはただでさえ事務の負担が大きいが、今回は飲食料品などの税率を据え置く軽減税率制度の導入や政府のキャッシュレス決済に伴うポイント還元策もあり、現場の混乱は必至。テクノロジーの進展が中小事業者の負担軽減に寄与しそうだ。

帳簿作成が楽に

 「増税時期が近づくにつれて問い合わせは増えている」。クラウド型の会計ソフトを提供するfreee(フリー)の担当者はそう語る。軽減税率制度が導入されれば、事業者は取り扱う商品ごとに適用税率を確認し、税の申告のための帳簿も税率ごとに区分して記帳する必要が生じる。

 しかし、同社の会計ソフトと連携しているレジに商品の適用税率を登録しておけば、そのデータが会計ソフトに送られ、自動的に仕分けされて帳簿も作られるため、会計作業の負担が大幅に減少するのだという。

 契約プランによって価格は異なるが、個人事業主であれば月額980円から利用可能だ。2年前に同社の会計ソフトを導入した東京都練馬区のスーパーマーケット「グリーン&フルーツ ムサシヤ」の事務職員、青木英治さん(55)は「帳簿の作成作業が劇的に楽になった。もう以前のやり方には戻れない」と笑う。10月の増税についても「余裕を持って迎えられる。(使い始める前に)8%に上がったときとは大違いだ」

 フィンテックガーデンは、レシートの内容を「QRコード」化し、同じレシートに印字する技術を開発した。事業者が会計処理を行う際、レシートの内容を会計ソフトなどに入力し直す必要があるが、同社の技術を使えば、スマートフォン(スマホ)でQRコードを読み取るだけでレシートの内容がデータ化される。パソコンが苦手な人でも簡単に使えるのが特徴だ。

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