したたかEU…使い捨てプラ製品禁止は競争力強化の布石 海を守って世界もリード、新規制へ
更新欧州連合(EU)がストローなど使い捨てプラスチック製品の流通禁止に向けて動き出した。プラスチック製品のごみは深刻な海洋汚染を引き起こしており、その対策は今や世界の課題だ。欧州が脱「プラごみ」でも率先し、環境対策をリードする姿勢を見せた格好だが、したたかな目算も背景にはあるようだ。(ベルリン 宮下日出男)
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「どうしたら日常生活でプラスチックのごみを出さずにすむのでしょう?」
ドイツの公共テレビは5月末、女性リポーターのこんな問いかけで始まるドキュメンタリーを放映した。取り上げたのはプラスチック製の容器や包装を使わない食品店。コメやシリアル食品も客が必要量だけを瓶の容器に詰める仕組みで、容器はその後も使える。
日常生活に密接
別のテレビ局は食品用ラップフィルムの代替品を開発・製造するスタートアップ企業を紹介した。EU欧州委員会が同月28日に新規制案を公表すると、メディアでは日常生活に密接に関わるプラスチックに着目した報道が相次いだ。プラスチックなしの生活に挑戦する体験記なども報じられた。