「思いつきの発想」経済界総スカン? 2度目の「大阪万博」にこだわるワケ
更新2025年の国際博覧会(万博)誘致を目指す大阪府の松井一郎知事は9月、イタリアで開催中のミラノ万博を視察した。万博会場では人気の日本館を見学、フランス・パリにも足を延ばし、博覧会国際事務局(BIE)では誘致に大きな権限を持つトップとの会談で好感触を得た。ただ、協力が欠かせない経済界は、多大な費用負担などを懸念して機運は盛り上がっていない。さらにパリや英・ロンドンといった強敵も浮上した。それでも松井知事は「2020年の東京五輪後の目玉が日本のために必要だ」と意気軒高だ。実現へのハードルは高いが、万博誘致にこだわる理由は大阪の活性化はもちろん、少年時代に受けた感動の記憶もある。
日本と大阪高評価
「大阪は健康をテーマに打ち出していけばいい。これまでにないテーマだ」 9月11日。パリのBIEを訪れた松井知事は、面談したロセルタレス事務局長から、大阪での万博構想についてこう評価を受けた。
松井知事はこれまで、府内にあるバイオ関連の研究拠点や製薬企業、医療機器メーカーなどを念頭に、万博のテーマは「超高齢化社会」を軸とするのが望ましいとの認識を示してきた。