SankeiBiz for mobile

貿易赤字拡大へ“懸念材料” 新型iPhone、円安で影響さらに

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

貿易赤字拡大へ“懸念材料” 新型iPhone、円安で影響さらに

更新

例年「iPhone」新モデル発売日にはアップル直営店前に行列ができる=2013年9月20日、東京・銀座  9日に発表される見通しのiPhone(アイフォーン)新モデルの発売で取り沙汰されているのが、貿易赤字の拡大だ。

 財務省の貿易統計によると、2014年上半期の貿易収支は7兆6047億円の赤字で半期ベースでは過去最大の赤字幅となったが、その要因の一つとなったのは中国からの通信機輸入の増大。その多くを占めるのが、アイフォーンをはじめとするスマートフォン(高機能携帯電話)だ。

 日本にとって、中国はいまや最大の貿易相手国で、輸入総額のうち約2割は中国から。さらにこのうちスマホをはじめとする通信機は中国からの輸入品の1割を占める。足元で1ドル=105円の円安が進む中、そのインパクトがさらに高まるのは必至だ。

 日本のスマホ市場でアイフォーンは圧倒的な人気を示しており、これまでも特にアイフォーンの新製品が出る秋口は、貿易赤字が拡大する傾向にあった。財務省は「今秋どうなるかは予想できない」としているが、年末にも消費税の10%引き上げ判断を迫られる中、思わぬ懸念材料となりはじめている。

 また、スマホに限らず、白物家電などでも海外製品の人気は高まっており、輸入は今後も増える可能性が高い。日本経済全体の底上げのためにも、日本の家電メーカーの競争力強化が求められる。

ランキング