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紡績・衣料品輸出、10%増維持を予測 14年 人手不足に不透明感も

ニュースカテゴリ:政策・市況の海外情勢

紡績・衣料品輸出、10%増維持を予測 14年 人手不足に不透明感も

配信元:中国新聞

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福建省南部にある●州開発区のコンテナターミナル(中国新聞社)●=さんずいに章のつくり  昨年、中国の紡績・衣料品輸出は全体的に安定して成長した。税関総署によると、輸出額は前年比11.4%増の2839億9000万ドル(約28兆9950億円)。このうち紡績品輸出は11.7%増の1069億4000万ドル、衣料品輸出は11.3%増の1770億5000万ドルだった。

 中国紡績品輸出入商会の江輝会長はさきごろメディアの取材に対し、同商会が2014年の紡績品輸出目標を8%増として報告したことを明らかにした。ただし、業界全体の輸出成長率は約10%まで可能だと予測しているという。

 ◆欧米向け好調続く

 紡績業アナリストの汪前進氏も本紙(第一財経日報)取材に応じ、今年の紡績・衣料品輸出の伸び幅は約10%を維持すると予測。昨年は回復傾向を見せていたが、今年はさらに安定するという。

 中国政府は新疆ウイグル自治区産の綿花について目標価格給付金試験区に指定する予定で、国内外の綿花の価格差を現在の1トン当たり5000~6000元(約8万4000~10万1000円)から縮小することを狙っている。

 また欧米市場は引き続き良好な見通しで、受注も一層回復すると見込まれる。

 しかし、一部の企業では今年の輸出になお不透明感が残っている。寧波華美線業の周暁南副総経理は「現在は閑散期で、受注に変化はみられず、状況が好転するかどうかは判断しがたい。紡績産業の人手不足は深刻化しており、春節(旧正月、今年は1月31日)後の人材募集が順調に進むかどうか分からない。人件費圧力は日増しに高まっている」と話している。

 杭州市軽工工芸紡績品輸出入公司紡績部の林岩マネジャーによると、同社は香港ファッションウイーク(1月13~16日)に参加したものの、受注は平常と変わらず、明らかな増加はないという。顧客は価格に敏感になっており、受注価格を低く抑える傾向が強い。

 ◆徐々にベトナム台頭

 国内の一部の小規模工場は受注不足や低価格で相次いで倒産しており、春節後まで続く輸出閑散期の間にはさらに多くの中小工場が閉鎖され、ミドル・ローエンド企業が徐々に淘汰(とうた)されるだろう。

 林マネジャーは「東南アジアの紡績・衣料品会社に比べ、中国企業はサービスや納期の面で優れている。しかし品質の面では東南アジアの多くの工場が中国に追いついてきている。原材料や人件費の面で優位性を失い、商品価格が東南アジアよりも高い状況では、絶え間ないアップグレードやデザインの強化、新商品や新素材の開発が重要だ」と指摘している。

 生産コストの優位性を武器に中国から国際受注を奪っている東南アジア諸国のうち、ベトナムが中国の強力なライバルとして徐々に台頭し、紡績・衣料品の輸出成長率では中国を追い抜いている。昨年、ベトナムの紡績・衣料品輸出額は前年同期比19%増で初めて200億ドルの大台を突破。同産業はベトナムにとって主要な外貨獲得源となっている。

 傘下に120の子会社や合弁企業をもつベトナム最大の繊維公社、ベトナム繊維公団(ヴィナテックス)の昨年の輸出額は12%増の29億ドルだった。同社は今年第1四半期、1億400万ドルを投じて紡績工場を建設する予定だ。(経済参考報=中国新聞社)

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