試乗インプレ

オーナー自ら操るという選択肢 幽霊のように舞うロールス・ロイス「ゴースト」

 ロールス・ロイスといえば、ショーファードリブンと呼ばれる「運転手付きの高級車」をイメージされる方が多いのではないだろうか。実際、そのような用途に最も適したスーパーラグジュアリーの代名詞ともいえる存在なのだが、実はオーナー自ら運転する喜びを訴求したモデルも展開している。今回は4ドアサルーン「ゴースト」のハイパフォーマンスモデル、「ゴースト ブラック・バッジ」に試乗。往路は後席のパッセンジャーとして、復路はドライバーとして“未知の領域”に足を踏み入れてみた。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz)

 リヤシートで味わう別世界

 ロールス・ロイスは1906年にイギリスで設立された超高級自動車メーカーだ。現行ラインアップの頂点に立つ「ファントム」をはじめ、歴代のロールス・ロイスには「幽霊」を意味する車名が多いのが特徴。その中でもゴーストはわれわれ日本人にとって最も馴染みのある、広く知られた単語だろう。ちょっと不気味で、どこか神秘的でもある車名を用いる理由は、「幽霊のように静かに動く」からだと言われている。

 ゴーストはロールス・ロイスの中で中核モデルの役割を担っているが、いざ目の前にすると言わずもがなデカイ。威風堂々と構える伸びやかなボディは全長5399ミリ、全幅1948ミリ、全高1550ミリを誇り、ホイールベースは3メートルを優に超える。パワートレーンは6.6リッターのV型12気筒ターボエンジンに8速ATが組み合わされ、標準モデルから42馬力も引き上げたブラック・バッジは612PSというハイパワーを絞り出す。

 いつもなら真っ先に運転席に収まるところだが、ロールス・ロイスならまずはショーファードリブンを試すのが定石だ。運転は同行した小島記者に任せ、筆者はコーチドアと呼ばれる観音開きのドアの奥に広がる後部座席に乗り込んだ。

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