試乗インプレ

1.6リッター最強の270馬力! プジョー・308 GTi(前編)

 私事で恐縮ですが、5月より大阪勤務となりました。当面の間、ここ大阪の地より西日本の風景をバックに、「試乗インプレ」をお送りいたします。なお、大竹記者執筆分は変わらず東京からの発信です。引き続きご愛読よろしくお願い申し上げます。さて、ここのところ、ミニ・クラブマンアルファロメオ・ジュリエッタと、前後編で延べ4回、欧州製ハッチバックの試乗が続いた。いずれも、国産車でいうとトヨタ・プリウスなどが分類されるCセグメント(以下、Cセグ)というクラスの車種だ。ドイツ、イタリアと来たらやはりフランスは外せない…ということで、今回はフランス製Cセグハッチのプジョー・308を取り上げる。(文と写真:Web編集室 小島純一)

日本で不人気のCセグ、欧州で根強い人気のワケ

 Cセグは国内市場では軽自動車やミニバンに押されて、いま一つ人気車種が育ちにくいクラスになっている。ところが、欧州では販売されている車種が最も多い、全メーカーのラインナップの中核をなすクラスである。

 その人気の理由は何と言ってもバランスの良さだろう。サイズも動力性能も普通のユーザーにとって扱いやすく、下駄がわりにもロングツーリングにも使えて価格もまずまず。悩んだらコレにしとけ、というド定番なわけだ。

 日本でも、かつての定番“国民車”であったトヨタ・カローラや日産・サニー、ホンダ・シビック、マツダ・ファミリアなどはみんなCセグだった。現在でもトヨタ・オーリス、マツダ・アクセラ、スバル・インプレッサなどがこのクラスに該当するが、もはや新定番“国民車”と言わざるを得ないプリウスを除けば、いずれもヒットしているとは言いがたく、そもそも販売されている車種が少ない。

 同じ専有面積なら背を高くしたほうが売れる…各社のラインナップを見ていると、マツダとスバル以外のメーカーはどうもそういう考えのようである。背の高い四角いクルマを欲しがる国内ユーザーの心情については、VW・ゴルフ トゥーランの試乗記事でも少し触れたけれど、移動する部屋という価値観だけではやはり寂しいし、もったいない。やはりクルマの魅力とは、原初的な移動すること自体の楽しさ、自在に操る楽しさがあってこそ。

 Cセグが欧州で人気を保っているポイントはバランスの良さだけではなく、挙動が自然で、クルマらしい走りの楽しさを味わえることも大きな理由ではないかと思う。欧州のユーザーの8割以上が依然としてマニュアルトランスミッション(MT)車を選んでいるのも、運転の楽しさを重視しているからだろう。

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