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朴大統領「歴史認識共有し発展」 舛添知事と会談 慰安婦問題も言及

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朴大統領「歴史認識共有し発展」 舛添知事と会談 慰安婦問題も言及

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日米韓3カ国首脳会談を前に、安倍晋三(しんぞう)首相と握手する韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(右)。中央はバラク・オバマ米大統領。この握手が日韓関係の改善につながるかは不透明だ=2014年3月25日、オランダ・ハーグ(AP)  東京都の舛添(ますぞえ)要一知事(65)は7月25日、朴槿恵(パク・クネ)大統領(62)と青瓦台(韓国大統領府)で約40分間にわたって会談し、安倍晋三首相(59)のメッセージを伝えた。

 朴氏は「一部政治家の言動で両国関係で難しさが出ているが、正しい歴史認識を共有しつつ、関係を安定的に発展できるよう努力をお願いする」と述べた。さらに、「慰安婦問題は両国関係だけではなく、普遍的な人権に対する問題。真摯(しんし)な努力で解決できる」と言及した。

 一方、朴大統領は25日、安倍首相のメッセージに対し、「正しい歴史認識を土台に真の信頼関係を築き、両国関係を堅固に発展させていきたい」と述べた。韓国大統領府が発表した。

 会談後、舛添氏は報道陣の取材に応じ、「安倍晋三首相の日韓関係改善に向けた意思を伝えた」と説明。安倍首相のメッセージに日韓首脳会談に関する内容があったかどうかはコメントを避け、朴氏の反応も「首相に伝える」として明かさなかった。

 舛添氏は「大統領は、歴史認識をしっかりすることが親善の第一歩と述べられた。安倍首相にきちんと伝えたい」と話した。朴氏からは「日韓両国民の圧倒的多数は両国の関係を良くしたいと思っている」との発言があったといい、「日韓関係を前向きに進めたいという気持ちがひしひしと感じられた」と語った。

 舛添氏は3日間の訪韓日程を終えて、25日夜の便で帰国。28日にも官邸に菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)を訪ね、朴氏との会談の内容などを報告するという。日本政府内では、年内の首脳会談実現に向けて「糸口が見えてきた」(外務省筋)との声があがるが、「朴氏は『日本側との対話はするが、安倍晋三首相だけはノー』という姿勢を見せつけた」(自民党中堅)と、日韓関係改善と首脳会談実現は別とする分析も出ている。

 日韓両政府は、(7月)23日にソウルで開いた外務省局長級協議で、月に1回の割合で協議を定期開催する方針を確認した。日本政府は、8月上旬の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議の場で日韓外相会談を行い、首脳会談実現に結びつけたいところだ。(ソウル 福田涼太郎/SANKEI EXPRESS

 ≪背中丸めた舛添氏… 韓国メディア、低姿勢強調≫

 韓国の聯合ニュースは7月25日、舛添(まずぞえ)要一東京都知事が朴槿恵(パク・クネ)大統領との会談で「日韓関係の改善のために努力する」とする安倍晋三首相のメッセージを伝えたことを速報した。韓国メディアの報道からは、安倍政権側が朴政権に折れ、冷え込んだ日韓関係の改善に乗り出しているかのように印象付ける狙いも垣間見える。

 韓国大統領府などによれば、朴氏は、慰安婦問題の解決を求めたほか、「正しい歴史認識」という言葉を頻繁に使い、関係改善のためにはまず、日本側の努力が必要だと指摘。これまで通り、日本側に姿勢の転換を迫った。

 公開された場面で、朴氏は、日韓関係悪化の原因は「一部の日本の政治家の不適切な言動」にあるとの認識を示した上で、日本側に「正しい歴史認識を共有すること」を求めた。

 韓国のテレビはニュースで、舛添氏が背中を丸めて笑顔でうなずきながら、朴氏の話に聞き入る姿を繰り返し流し、朴氏の話に舛添氏が全面的に共感しているかのような印象を際立たせた。会談に同席した別所浩郎(べっしょ・こうろう)駐韓大使(61)は背筋を伸ばし、肯定も否定もしない態度で応じていただけに、舛添氏の“うなずき”は目立った。

 朴氏は、報道陣が退出した後も「正しい歴史認識に基づかなければ、真の意味の信頼関係を築くことは難しく、正しい歴史認識を土台とした真の信頼関係を」と強調し、「正しい歴史認識」に固執した。「どの国にも領土と歴史があるが、領土は国民の体であり、歴史は国民の魂だといわれる。魂が傷つけば根本が揺らぐ」との考えも披露し、会談はさしずめ政治哲学の講義の様相を呈した。(ソウル 加藤達也/SANKEI EXPRESS

 ■最近の日韓関係 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、旧日本軍の慰安婦問題などの歴史問題と領土問題で日本に態度を変えるよう求め、安倍晋三首相との首脳会談を拒んできた。今年3月、バラク・オバマ米大統領の仲介で、オランダ・ハーグで日米韓3カ国首脳会談の開催に応じたが、その後、安倍政権が慰安婦問題に関する1993年の河野洋平(こうの・ようへい)官房長官談話の検証結果を公表したことに反発。7月上旬には中国の習近平国家主席と協調して安倍政権の集団的自衛権行使容認決定にも反対する姿勢を見せた。韓国内では歴史、領土問題での強い姿勢は評価されているが、首脳外交を拒むことには批判も出ている。(ソウル 共同)

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