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ビール党垂涎「オクトーバーフェスト」 ドイツ・ミュンヘン

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ビール党垂涎「オクトーバーフェスト」 ドイツ・ミュンヘン

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 【Viva!ヨーロッパ】

 10月といえば洋の東西を通じて“味覚のシーズン”。日本では近年、ビール祭りである「オクトーバーフェスト」が各地で催されるようになってきたが、本家本元はドイツのバイエルン州ミュンヘン。左党垂涎の的である世界最大のビール祭りを目指して、ドイツ南部の街を訪れた。

 600万人が来訪

 ミュンヘンのオクトーバーフェストは、10月の第1日曜日を最終日として16日間開催される。今年は9月21日から10月6日までだった。1810年に始まり、当初は競馬などが催される祭りだったが年々発展。6つの大手ビール醸造所が軒を連ねるミュンヘンらしく、巨大ビアホールが建てられるようになり、次第に“ビール祭り”と化していった。現在では16日間の開催期間に600万人以上が訪れる世界最大のビール祭りとなっている。

 この時期にはミュンヘン市内のホテルは通常の数倍の値段となるため、1年前から予約する者も多い。筆者も半年前に予約したが、すでに値段は通常の3倍となっていた。

 「生酒」に腰抜かす

 フェストのビールもさることながら、「この時期しか飲めない酒がある」と知人に言われ、フェストが始まる日の前日にミュンヘンに前乗りし、“前夜祭”と称して市内のレストランを訪れた。お目当ては「フェーダーヴァイサー」。白ブドウのしぼり汁が発酵している「生酒」だ。ワインになる途上の酒で、酵母が残ったままのため白濁し、まるでどぶろくのような濃厚な味わい。口に含むとシュワシュワと軽くはじける。それでもアルコール度は10度程度ある。思わず飲みすぎて、フェストを前に早くも腰が抜けてしまった…。

 1リットルジョッキで乾杯

 フェスト初日は午前にビール醸造所によるパレードが市内で盛大に行われ、市長が正午に最初のビヤ樽の栓を開けてフェスト開始。市郊外にあるテレジエンヴィーゼと呼ばれる会場は42ヘクタールととてつもなく広い。普段はただの広場だが、フェスト時にはいくつもの巨大ビアホールや移動遊園地の遊具が建ち並ぶ。

 ビアホールは1万人が同時に入れる巨大なものもあり、訪れた時はすべてのホールが満員御礼で、入場口で多くの者が空くのを立って待っていた。

 1時間待ってようやく入ると、サーカスのテントのようなホールの内部に驚いた。生バンドの演奏にあわせて、ホールいっぱいの酔客たちは1リットルジョッキと身体を揺らしていた。

 なんとか席を確保し、注文。ずしりと重い1リットルジョッキを口に運ぶ。フェスト用のビールはコクがあり、度数も通常より少し高い。

 「プロースト!!」

 ドイツ語で乾杯を続けるうちに、あっという間にフェストに同化されていく自分を感じた。(国民高等学校「日欧文化交流学院」

 ■オクトーバーフェスト 文字通り「10月の祭り」という意味。1810年10月、バイエルン王国の皇太子ルートヴィヒとザクセン王国の皇女テレーゼの結婚を、多くのミュンヘン市民が祝った祭りが起源とされる。近年では祭りの期間中、ビール約700万リットル、牛の丸焼き約100頭、チキンの照り焼き約50万羽、ソーセージ約20万本が消費されている。ミュンヘンを模し、日本でも近年、横浜、東京、大阪、福岡、広島、仙台などの各地でオクトーバーフェストが開かれている。本場ドイツのビールやソーセージを堪能でき、秋の風物詩として定着しつつある。

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