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前向きに メジャー再デビュー D.W.ニコルズ
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真っすぐな思いに胸を打たれる歌詞と、いつも笑顔で朗らかなバンドメンバーが醸し出す雰囲気は、曲を聴いてもライブを見ても、必ず晴れやかな気分にしてくれる。そんな4人組がD.W.ニコルズだ。2009年にはメジャーデビューを果たし、全国のラジオ31局でパワープレーを獲得するなど、順調に知名度を上げていった。しかし、11年にはメジャーレーベルを離れ、自主レーベルでの活動に移った。
「芯がもっとしっかりしていればよかった」とフロントマンのわたなべだいすけは以前のメジャー時代を振り返る。なかなか1年、2年ですぐにアーティスト性を確立し、結果を出すというのは難しい。そして大手のレーベルから離れると、アーティストによっては予算や人員の違いもあり、作品のリリースに時間がかかることや活動の情報露出が減ることもある。所属環境の変化に流されずにコンスタントな活動を続けるというのは精神的にも経済的にもタフなはずである。
しかし、D.W.ニコルズは、以前のインディーズ時代、メジャーデビュー時代、そして自主レーベル時代と、リリース、ライブ活動ではコンスタントに、そして活発に活動しているという印象を受けた。そして今年、彼らは再びメジャーのレコード会社と契約を果たす。
「ずっとインディーズで活動していくつもりはなかった。チャンスがもう一回来ることは予想していたので、それをつかむ準備だけはいつもしていた」とわたなべは語る。
彼らの新作「SUNRISE」はタイトル通り、太陽が昇り、これから始まる新しい一日を迎えるときのすがすがしい気持ちと、力強く前に向かって歩みを進める決意を感じるエネルギーにあふれた曲たちが並ぶ。アルバム1曲目は「ニューデイライジング」という曲だ。日はまた昇る。チャンスはまた来る。そのために変わらぬ熱量で活動を続けてきた彼らのスタンスを感じることができる。
「インディーズでの前作の延長線上にあり、明るくて楽しくて前向きな今のニコルズの雰囲気をそのまま閉じ込めたアルバムを作りたかった」という言葉通り、聴く者の気持ちをしっかり前向きにしてくれる作品だ。
「目標は国民的なバンドです」という彼らは、これからも変わらぬエネルギーでその魅力を音楽で伝えてくれるだろう。(音楽評論家 藤田琢己/SANKEI EXPRESS)