どんなサービスがあるかというと、例えば、子どもの写真をアップすれば、ランドセルの試着イメージが分かるアプリ。ネット上にバーチャル店舗を開設し、商品情報を提供する大手販売店などさまざまだ。
そんな中、土屋鞄では今年3月、レンタルサービスを開始した。ランドセルを2泊3日で貸し出し、自宅で試着してもらう試みである。
「以前は店舗で試着した上で購入いただきましたが、それができなくなったため、急遽始めました。弊社は全国に11の店舗を構えていますが、店のない地域もたくさんあります。そういったエリアのお客様からレンタルの注文が相次ぎ、結果的に販路が広げることができたのです。これは意外な結果でした」
同社では、使い終わったランドセルをさまざまなアイテムにリメイクするサービスも行っている。思い出のランドセルを大切に残したい。そういうニーズは年々増えているという。
「リメイクサービスは、職人がランドセルの状態を見て判断しますので、手間のかかる作業です。年間に4回注文を受けていますが、今年7月の受付では、初日に全5製品のうち3製品が完売してしまうほどの人気でした。『ランドセルは小学校6年間の相棒でした』。小学生や保護者の皆さんから、そんなうれしいお手紙をいただくこともあり、大変励みになっています」
教育現場が変わりつつある今。ランドセルはこれからどうなっていくのだろうか。中橋さんに聞いてみた。
「近い将来、小学校の教科書が紙からデジタルになっていくでしょう。そうなると、ランドセルに入れる持ち物も変わります。スマホやタブレットが必須になるかもしれません。たとえ形や用途が変わっても、常にお子さんが便利に使えるランドセルを提供していきたいと考えています」(吉田由紀子/5時から作家塾(R))