40、50代の過半数が「感染すると思わない」 大学実施の首都圏アンケート
日常の新型コロナウイルス感染リスクについて、首都圏の40、50代の過半数が「あまり感染すると思わない」「思わない」と考えていることが4日、国際医療福祉大が実施したアンケートで分かった。仕事中の感染にも約6割が否定的だった。40、50代は東京都内で入院者、重症者の一定割合を占め、20、30代とともに感染抑制が強く求められる世代。会社などで管理職にある場合も多く、模範を示す立場として、一層高い警戒感が求められそうだ。
調査は和田耕治教授(公衆衛生学)が実施。7月中旬、埼玉、千葉、東京、神奈川の1都3県に住む医療従事者ではない20~60代の男女3129人からインターネット上のアンケートで回答を得た。
「自分が日常生活で感染すると思うか」について、「そう思う」「ややそう思う」と回答したのは20、30代の男性が59%、女性が56%。40、50代の男性と女性(ともに46%)をそれぞれ約10ポイント上回り、比較的高い感染への警戒感がうかがえた。40、50代男性は「あまり思わない」「思わない」を合わせ54%だった。
「仕事中」の感染リスクは20、30代男性の53%が感じており、40、50代男性の44%を上回った。
連絡が取れる知り合いに感染した人がいる場合、20、30代男性の感染への警戒感は「日常生活」「仕事中」ともに7割近くに上ったが、40、50代男性では約半数にとどまり周囲の感染者の有無による大幅な上昇は見られなかった。
感染が急拡大する東京都内では、40、50代が入院者の約4割、重症者の約6割を占めている。一方で、第5波では感染者が急増する20、30代でも中等症になり、一部は重症化している特徴がある。新規感染者数が増加すれば入院の可否が症状の重さに応じて決まることにもつながり、相対的に「入院のハードル」が高まることになる。
新規感染者や重症者は男性の方が多い傾向もある。調査を担当した和田教授は「40、50代の、特に男性が警戒感を高めて感染を予防する行動を取って模範を示さなければ、若年層の行動変容にもつながらない。企業などに向けたメッセージがもっと必要になる」と指摘した。