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海洋プラスチック(4)環境保護をビジネスに

 海洋プラスチックごみ(海プラ)回収と再利用を始めたアパレルブランド、プラスチックストローを廃止したコーヒーチェーン…。海プラを減らすビジネスへの転換を近年、世界中の企業が模索している。

 小笠原諸島やインドネシアなどで平成14年から、ウミガメの生態調査、保全に取り組むNPO法人「エバーラスティング・ネイチャー(エルナ)」の田中真一事務長は「世界の関心が高まり、環境保護がブランディングにつながると考える企業が増えた」と歓迎する。

 エルナによると、死亡漂着したウミガメの約6割は、ポリ袋などのプラゴミを誤食している。5ミリ以下の「マイクロプラスチック(マイプラ)」について昨年初めて調べたところ、10個体中すべてから検出されたという。「マイプラの生態への影響についても今後調べたい。調査を続けることで企業の環境保護活動の成果を測る指標にもなるのでは」としている。

 伊藤忠商事グループの「伊藤忠ファッションシステム」(東京都港区)が始めた、マイプラを出しにくい化学繊維生地を広める取り組みの収益の一部は、エルナの調査などに充てられる予定だ。同社は「環境問題の解決がビジネスチャンスとなるような仕組みを作ることで、日本から環境保護のムーブメントを起こしていきたい」としている。(取材協力 伊藤忠ファッションシステム)

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