教育・子育て

どこまで休校どこまで検査 相次ぐ感染に学校の対応分かれる

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、近畿の学校現場でも今月に入り、児童や生徒、学生の感染が相次いで判明している。各学校では状況に応じて校内の消毒や同じクラスの生徒らを自宅待機にするなどの措置をとったが、中にはまったく休校にしなかった例も。出席停止を濃厚接触者のみにするかクラス全員にするか、どこまでPCR検査を実施するのか、自治体によって判断が分かれている。(藤井沙織、木ノ下めぐみ、加納裕子)

 まず休校し消毒

 8日、大阪市立小で児童の感染が確認された。同市の対策マニュアルは、感染判明の翌日は全校を休校にし、濃厚接触者がクラスの15~20%を占めた場合は学級閉鎖すると規定。今回は5日間休校となり現在、一部のクラスで学級閉鎖となっているという。

 12日には、東大阪市にある大阪府立高で女子生徒の感染が判明。同校は16日まで臨時休校とし、濃厚接触者の特定と校内の消毒を実施。その後は本人と濃厚接触者のみを出席停止とする。

 学校内で感染者が確認された場合の対応について、文部科学省は6月に改訂した学校向けの衛生管理マニュアルで、感染者とその濃厚接触者が児童生徒なら出席停止、教職員なら出勤させないようにし、保健所などと連携して校内を消毒するよう要請している。

 ただ、休校については、周囲との接触や感染経路などから、校内で感染が広まっている可能性を検討し、その範囲に応じてクラス単位や学年単位、あるいは全体での休校を判断するのが適当としている。

 PCR検査

 文科省のマニュアルではPCR検査については記載がないが、自治体や学校独自の判断で実施した場合もある。

 8日に男子学生の感染が確認された和歌山信愛大(和歌山市)は学内を消毒するとともに、全学生・教職員の計207人にPCR検査を実施。結果、新たに3人の学生の感染が判明した。

 陰性だった204人は偽陰性の可能性もあるとして2週間の自宅待機とし、講義はオンラインで実施中。担当者は全員への検査実施について「取りこぼしで感染が拡大しないようにと保健所から指導、相談を受けて決めた」とする。

 12日には、和歌山市立中でも女子生徒の感染を確認。同市教委は13日に校内を消毒し、女子生徒の学年のみ1週間休校とした上で、この学年の全生徒約70人にPCR検査を実施する方針だ。

 神戸市立中では11日、女子生徒の感染が確認され、同じクラスの生徒と担任教員約40人にPCR検査を実施し、2週間の自宅待機とした。学校は学習プリントを郵送し、個別に連絡して健康や学習の状況をフォローするとしている。

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