教育・子育て

新型コロナで給食休止…食と居場所を支える子ども食堂

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために要請された一斉休校を受け、給食が中止となるなか、弁当の提供などにより、子供たちの食を支えようと力を尽くしている人々がいる。背景には、生活に困る子供や親の孤立を防ぎたいという思いがあるようだ。(小林佳恵)

 苦渋の選択

 「給食が栄養源という子供もいる。長い休みの間、ちゃんと食べられるか心配しています」

 こう話すのは「TSUGAnoわこども食堂」(千葉市)代表の田中照美さんだ。今月は子供たちが集まって食事をする「トモ飯」を中止としたが、代わりに18歳までの子供向けに弁当の無償提供を始めた。

 感染拡大防止のために不要不急の外出を控えるムードが続いているが、田中さんは「ネグレクトなどで家に居場所がない子供もいる。(新型コロナウイルスで)親もストレスを感じており、虐待が起きかねない状況もある」と危惧。そうした子供のために、検温や消毒などを行った上で部屋を開放しているという。

 「子ども食堂」を運営する「よこすかなかながや」(神奈川県横須賀市)でも、小学生を対象に、前日の注文を受けて、弁当を無償で提供している。代表の和田信一さんは「ひとり親や共働きで、子供だけで留守番せざるを得ないという家庭もあり、提供を決めました」と話す。

 検温や消毒などの対策をしながら、週3回の夕食の提供も続けるといい、和田さんは「本当に支援が必要な子供もいる。不用意に外出して危険な目に遭う可能性もないとはいえず、それならうちに来てもらいたい」と心を砕いている。

 「子ども食堂」の連絡組織「こども食堂ネットワーク」の事務局長、釜池雄高(ゆたか)さんは、新型コロナウイルスの影響で、「泣く泣く、中止や延期を決める子ども食堂が出ています」と説明する。一方で、弁当の提供や、食品を渡す「フードパントリー」などを検討・実施する動きが出ているという。

 釜池さんは「子ども食堂は地域の子供や親とつながりが深く、各団体が『あの子は大丈夫だろうか。何かできることはないか』と考えて動いているのだろう」と話す。

 食材配布も

 食材の提供により支えようとする動きもある。

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