2. 外貨預金 インフレでも資産価値を守れる
「預金」という名称は安心感かつ、以前は高金利であったことから、10年前に賑わった商品です。
リスクのひとつは、円での預貯金と同様、金融機関の破綻リスクです。「外貨預金」はペイオフの対象外であり、金融機関が破綻しても一定額の保証はありません。預金というイメージから保証があると誤解している人も多いのですが、円の預金と異なり安全性は低いと言えます。
もうひとつは為替変動リスクです。外貨預金は、外貨で運用します。米国ドル、オーストラリアドルなどで外国の通貨でお金を預けます。金利を見てみると、かつてのような高金利ではなく、円預金と見間違うほどの低金利になっています。金利が高ければ、為替の変動を金利で補ってくれますが、今は金利ではなく為替変動で儲けを狙う商品に様変わりしています。為替手数料も発生しますので、為替変動だけで儲けを得ようと考える人は、コストも含めて「投資」を検討するとよいでしょう。
円建て預貯金のデメリットである物価上昇あるいはインフレに関しては、円の価値が下がり円安になった場合には、外貨で資産を保有することで、通貨価値の下落から財産を守ることができます。インフレに対する効果は、これから説明する「投資信託」においても、外貨建ての場合は同様の効果が期待できます。
《外貨預金のリスク》
・金融機関の破綻(ペイオフの対象外)
・為替変動
3. 投資信託(債券) 外貨建て商品が増加中
投資信託には「主に債券に投資する商品」と、「主に株式に投資する商品」があります。かつては、公社債投信という商品が人気で、安定した利回りかつ元本割れリスクの少ない商品として投資をしている人が多い商品でした。
現在では、より高いリターンを求めて、外国通貨建ての金利の高い債券に投資する商品が増えています。債券に投資する投資信託の価値は、金利の動きで決まります。直感的にわかりづらいのですが、金利が下がると価格が上がり、金利が上がると価格が下がります。
現状の金利が史上最低水準であることを考えると、価格の値上がりは限定的であるという見方ができます。代わりに、一定期間ごとに債券の金利を受け取ることができるため、金利受け取り分だけ継続的に価格が上がると見ることもできます。
ただし、人気商品として販売されているであろう「外貨建て債券」に投資する投資信託の場合、為替変動のリスクが伴います。さらに、投資先として不安定であるとみなされるような信用力の低い格付け債券に投資する商品も、高利回りから人気であるため要注意です。
外貨建て債券に関しては、新興国を含めて多様な通貨で投資する商品があります。新興国通貨の場合、通貨の暴落によって、投資信託の価格が大幅下落することは比較的よくあります。当初、数年は好調であったものが、景気の悪化とともに値下がり続ける商品が多い印象です。
投資する際は、運用期間をあらかじめ決めておき、一定期間後に解約するなど自分なりのルールが必要です。
《投資信託(外貨建て債券)のリスク》
・為替変動
・通貨暴落