経済インサイド

安倍首相イチ押しの「予防医療」、財源めぐり早くもさや当て

 「ただ今より第7回『明るい社会保障改革研究会』を始めます。今回でヒアリングは最後になります」-。3月27日午前8時、東京・永田町の参院議員会館の地下会議室で始まった議員連盟の会合。一般マスコミだけでなく業界情報に早い医療系専門メディアも皆無の議連に、SPとともに姿を現したのは自民党の加藤勝信総務会長と世耕弘成経済産業相だった。

 首相の思いを背景に

 「明るい社会保障改革研究会」は昨年12月に初会合。予防・健康分野を中心に、民間活用や個人の努力支援などで持続可能な社会保障制度の構築と経済成長の同時達成を目指す「明るい社会保障改革」をめぐり、先進的な取り組みを進めている企業や医療関係者らと意見交換を行っている。

 会長は上野賢一郎財務副大臣、事務局長に佐藤啓参院議員と元総務省キャリア官僚コンビが議連を取り仕切り、会合には経産省や厚生労働省の審議官・課長級も毎回出席。議論の成果を今夏に取りまとめられる政府の成長戦略の実行計画へ反映させることを狙う。

 中堅・若手議員中心の議連に、加藤、世耕両氏という第2次安倍晋三政権発足時に官房副長官を務めた安倍首相の側近中の側近2人が顧問格で参加するのは、安倍首相の予防医療への強い思いが背景にある。安倍首相は若手時代、自民党の社会部会長(現・厚労部会長)を務め、介護保険制度創設の検討などを通じて社会保障改革に問題意識を持ち続けている。議連は党側から、安倍首相イチ押しの予防医療に対する機運を盛り上げる役割も果たす。

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