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うつ病は女が多く、過労死に男が多い 男女で大きな差が出るカラクリ

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うつ病は女が多く、過労死に男が多い 男女で大きな差が出るカラクリ

配信元:PRESIDENT Online 更新

 さらに、そうして誰にも相談できないままストレスフルな生活を続け、病院を訪れたときには重篤な状態になっていることもとても多い。過労死するまで働き続けてしまうというわけです。これが男性に過労死が多い理由です。

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 上司に詰問された日に何杯飲むか

 見過ごされやすいのが、アルコール依存症の問題です。WHO(世界保健機関)の調査では、自殺者の50~ 80%がうつなど感情障害であり、20~60%が何らかの依存症だとわかっています。この依存症とは、アメリカでは薬物依存であり、日本ではアルコール依存です。自殺している人の3分の1が、自殺前に飲酒をしているというデータもあります。

 自殺リスクは、1日3合以上の飲酒で2倍、重度のアルコール依存症の場合は8倍にもなります。このアルコール依存症の割合は、男性5:女性1。男性は精神的に追い詰められたとき、よりアルコールに逃げやすい。仕事で悩み、アルコールに逃げて最後には自殺を選ぶ--男性の過労死の1つの典型と言えます。

 そして、アルコール依存症で病院に通う人はごく稀にもかかわらず、日本人男性の罹患率は、定められた診断基準だと7.4%にも上ります。1カ月に飲まない日がない。飲んでいるときに、苦しいから死んでしまいたいと思う。そんな人は特に要注意です。上司に詰問されたその日に1杯だけ飲むならまだいいですが、楽しく飲めないお酒は精神的に逆効果。ストレス発散に効果があるとわかっているのは、とにかくしっかりとした睡眠です。辛いときは酒を飲んで愚痴を言うよりも、暖かい布団でぐっすり寝ることが大事です。

 (精神科医 樺沢 紫苑 構成=伊藤達也)

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