SankeiBiz for mobile

学び合える親子カフェ誕生 英会話やレンタルスペースを提供

ニュースカテゴリ:暮らしの生活

学び合える親子カフェ誕生 英会話やレンタルスペースを提供

更新

靴を脱いで入る「オーガニックカフェルル」では、テーブル席のほかに座卓もあり、動き回る赤ちゃんも安心=東京都江東区  ベビーベッドや授乳コーナー、子供の遊び場だけでなく、子育てを通じて学び合える空間を提供するこだわりの親子カフェが誕生している。自身の子育て経験などを生かしつつ、子育て支援を兼ねているのも特徴だ。(村島有紀)

 食事は有機食材

 「異文化、多世代でのコミュニケーションを図るとともに食の大切さを知ってほしい」と話すのは、東京都江東区にオープンした「オーガニックカフェ ルル」((電)03・5809・9922)代表、柾木史子さん(43)。

 3人の子の母親でもある柾木さんは、都内3カ所で英語保育を行う幼児教育施設と放課後預かり事業を行う「グローイング・トゥリーズ」の経営者。「英語の図書館が少なく、親子で過ごす場所も少ない」という悩みを抱える英語圏から赴任中の一家、幼稚園から帰宅途中の親子が気楽に立ち寄れるスペースを作りたいと昨年から構想を練った。

 赤ちゃんが自由にハイハイできるよう床には人工芝を敷き詰め、靴を脱いで入る。幼児用トイレやおむつ替えスペースはもちろん、天然木材で作った隠れ家のような小屋、厳選した英語絵本、鉄道模型などを設置。自由な言語で会話してもいいが、初めて出会う子供同士も楽しく遊べるように午後3時からは英語圏の外国人スタッフが遊び相手になることもある。

 提供するのはドリンク類のほか、有機食材で作る食事(3品セット1500円、5品セット2千円)など。年齢での利用制限はなく、親子以外でも利用できる。

 イベントも開催

 演劇集団円(えん)の女優、大門真紀さん(34)が昨年4月、東京都渋谷区にオープンさせた幼児教室「トリッピーキッズ」((電)03・6427・7826)は、レッスン会場の空き時間をレンタルスペースとして貸し出している。軽食の持ち込み可で、子供たちは会場にある絵本や楽器などで遊べ、スタッフが見守る。母親らはその間、安心して食事やお茶を楽しむことができる。親子10組までで2時間1万500円だが、「ハイハイができる」と赤ちゃん連れの親子に人気という。

 大門さんは「お母さんから『子供がいると(外で)温かいお茶一杯飲めない』という声を聞いた。お母さん同士がゆっくり話すことで、表情も柔らかくなり、子供たちにも良い影響があるようです」と話す。

 イベントを通じて子育て支援を行うカフェもある。大阪府四條畷(しじょうなわて)市の金子允子(ちかこ)さん(41)は6年前、親子カフェ「カフェ グッド デイズ」((電)072・878・3930)を開設し、季節の食材を使った手作りの食事を提供中だ。保育士と3人の子供を育てている経験を生かし、地域の子育て支援につながればと、ベビーマッサージやベビーダンスなどの親子セミナー、母親向けセミナーなども開催。金子さんは「経営的には苦しいが、親には子供と一緒に出掛けられる場所は必要。地域に必要とされていることがやりがい」と話している。

 ■親子・キッズカフェは増加傾向

 インターネットで子供連れでの外出スポット情報を発信している情報サイト「いこーよ」(http://iko-yo.net)によると、同サイトに「親子カフェ」「キッズカフェ」「ママカフェ」などとして登録している飲食店は平成24年中に41軒、昨年中に52軒増加。閉店後、サイトを更新していない店もあるが、現在は全国で約140軒が掲載されている。

 形態は、通常の喫茶店やレストランが「親子もどうぞ」とPRするタイプ▽会員制で滞在時間+飲食代、利用に年齢制限を設ける専門タイプ-など。広報の三沢優花さん(26)は「都市部の住宅事情から誰かの家に集まるのは難しいため、小さな子供連れのお母さんたちの社交場としてカフェが利用されている」と話している。

ランキング