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必需品や定番品は購入を どうする消費税増税(下)

ニュースカテゴリ:暮らしの生活

必需品や定番品は購入を どうする消費税増税(下)

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前回の消費税増税の際は、増税前に定期券を購入する人の長い列ができた=平成9年3月31日、JR大阪駅  年間を通じてあまり値が変わらないもので、近く買う予定のあるものをリストアップしたら収納スペースを見極め、増税前に購入しよう。定期券や習い事の会費などは3月末までに一括購入するとお得になる場合もある。増税に備え、3月まではこれまでより安く価格を設定している通販雑誌の商品もあるので賢く利用したい。

 定期の購入一工夫

 4月といえば転勤や進学、就職などで新しい定期券を購入する人も多いだろう。

 JRや東京メトロの場合、使用開始が4月以降でも3月31日までに購入すれば消費税は5%のまま。横浜市内から東京都内の会社にJRで通う里見英理子さん(46)=仮名=の半年間の定期代は7万2580円。3月中に4~9月分を継続購入すれば、3%分の約2千円が節約できる。

 平成9年4月の消費税増税の際は3月31日に定期券売り場に長い列ができた。今回も同様の現象が予想され、JR東日本は混乱を緩和するため、新規の購入期間を14日前に広げることを検討している。

 現在の購入期間は新規は使用開始日の7日前、継続は14日前から。新規購入の場合は早めに購入することで無駄になる日数の費用を計算し、検討するといい。

 4月以降はJR東日本や首都圏の大手私鉄では、PASMO(パスモ)などのICカード型乗車券と券売機の切符で、同じ乗車区間で「二重運賃」が生じる見込みだ。IC乗車券では増税分を正確に反映するため1円刻み、券売機での切符は10円刻みになる。区間や路線によって切符の方が安くなったり、ICカードの方が安くなったりするため、戸惑うこともありそうだ。

 通信教育費の一括

 習い事などの会費も3月末までに支払えば消費税5%が適用される。ベネッセコーポレーション(岡山市北区)が展開する通信教育「進研ゼミ」の場合、毎月払い、12カ月分一括払いなどがあるが、1カ月分の単価は12カ月払いが最も安い。

 例えば、4月からの中学1年の講座を3月末までに契約し、12カ月分一括払いとした場合は6万3千円(1カ月5250円)。4月以降は6万4800円(同5400円)で、1800円分がお得だ。4月以降に月払いで12カ月続けた場合(月6336円×12カ月=7万6032円)と比べると、年間で最大約1万3千円お得になる。

 習い事などは途中退会のリスクがある。返金方法なども確認し、トラブルに注意する。

 通販雑誌の価格差

 通販大手、ディノス・セシール(東京都中野区)のファッションカタログ「レディースセシール」(通販雑誌)。春夏秋冬の季刊だが、今年の春号(販売中)から、発行以来初めて税抜き価格表示を始めた。増税後も従来と近い価格を維持するため、一部定番商品の商品単価そのものを見直し、約2~3%値下げ。例えば、昨年冬号で5%税込み990円の長袖ポロシャツは税抜き920円にした。3月までは税込み966円(4月以降は993円)で購入でき、昨年より24円安くなる。

 広報担当の秋山強さんは「4月から表示を変えることにできない季刊誌の特性。約20商品を従来品より価格を下げました。毎年購入している定番商品なら3月までがお得です」と話している。

 ■必要なものを見極めて

 ファイナンシャルプランナーの柳沢美由紀さんの話「2、3年以内に必ず買うものなら早めの購入も一つの手です。ただ、買いだめすると節約のペースが乱れ、4月以降も購入金額が増えてしまいがち。まとめ買いするなら未来の家計簿を作り、その予算から使った金額を引いておくなど管理を徹底した方がいい。私がまとめ買いしておこうと思うのはコンタクトレンズ(度数が変わらない場合)や定番化粧品。半年ごとに交換する浄水器のフィルターもいい。買いだめに向かないのが、酒やたばこなどの嗜好(しこう)品、自分の意思で継続が左右されるサプリメントやダイエット関連商品。嗜好品は自宅にあれば消費量が増えるし、サプリは続かなければ無駄になります。絶対に必要なものを見極め、決めてください」

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