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ビール、炭酸、ワインで温まる? ホット飲料の新ジャンル続々

ニュースカテゴリ:暮らしの余暇

ビール、炭酸、ワインで温まる? ホット飲料の新ジャンル続々

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 ホットビールにホット炭酸、ホットワイン…。本格的な冬の到来を前に、新しいジャンルの「ホット」な清涼飲料水や酒類が相次いで発売、提案されている。定番の熱かんにお茶もいいが、さまざまな飲み物を試しながら心の底から温まり、ホッとリラックスできる飲み物を探してみよう。(村島有紀)

 デザート感覚

 「東日本大震災後の節電で『飲み物で温まる』が注目され、販売に力を入れるようになった。日本ではビールは冷たい飲み物だが、欧州ではホットビールというジャンルが以前からありました」と話すのは、キリンビール(東京都中野区)の広報担当、山田朗子(あきこ)さん。

 同社は、黒ビール「一番搾(しぼ)りスタウト」でホットビール(ホットスタウト)の飲み方を提案している。ビールに砂糖を加えて温め、シナモンスティックの香りを楽しみながら飲むスタイル。レシピの提供のほか、直営のビアレストラン「一番搾りガーデン」(港区、12月27日まで、1杯550円)や全国の「キリンシティ」(1杯650円)で販売している。

 山田さんは「ビールが温かいと苦みや酸味を感じやすくなるので、デザート感覚での飲み方を提案した。日本ではまだ珍しいが、冬の新しいビールの飲み方として定着させたい」と話す。

 開発に3年

 「炭酸飲料は冷たくて夏の飲み物」というイメージを覆したのは、日本コカ・コーラ(渋谷区)。10月21日からホット炭酸飲料「カナダドライホットジンジャーエール」の発売を開始した。同社によると、温かい炭酸飲料の発売は「コカ・コーラが販売されている市場では世界で初めて」(広報担当者)。イベントや事前報道などのPR効果もあって、関心は高いという。

 キリンビバレッジ(中野区)も5日から全国のコンビニエンスストアで、ホットな炭酸飲料「キリンの泡 ホット芳醇(ほうじゅん)アップル&ホップ」を発売する。同社によると、炭酸は高温になると抜けやすくなるため、炭酸の量と炭酸を感じる味覚設計が難しく、開発に3年かかったという。

 同社広報の鈴木雄介さんは「コンビニにある缶やペットボトルのウオーマーの温度は約55度で、微炭酸を感じやすい。ホット炭酸を飲んで気持ちもホットに温かくなってもらえれば」と話す。

 手軽に自宅で

 家庭で手軽に作れるアレンジレシピの提供も盛んだ。

 ワイン製造のメルシャン(同)とエスビー食品(中央区)は平成19年から『ホットワイン』の普及に力を入れている。メルシャンのワインに、エスビー食品のハーブやスパイスを加えたワインカクテルの作り方を記したカードを付けて販売。ホームページでもレシピを紹介している。

 ジャマイカコーヒー輸入協議会(神戸市中央区)は9月に都内で開いたイベントで、ブルーマウンテンコーヒーと赤ワイン、オレンジを合わせ、香りを楽しむホットカクテル「マザグラン」を紹介した。

 100種類のアレンジコーヒーの飲み方を提案している味の素ゼネラルフーヅ(東京都新宿区)広報部の豊崎靖次さんは「アレンジコーヒーは古くて新しい飲み方。深煎りコーヒーにはチョコレート系、中煎り、浅煎りにはリンゴなどのフルーツ系を浮かべると相性が良いので、好みのアレンジを楽しんでほしい」と話している。

 【ホットスタウト】

 〔1〕常温の一番搾りスタウトをできるだけ泡立てないように耐熱グラスに注ぐ。

 〔2〕少しずつゆっくりと砂糖小さじ1を入れ、泡が吹きこぼれないようにかき混ぜる。

 〔3〕500ワットで70秒(600ワットで50秒)を目安に、約55度になるまで電子レンジで温める。

 〔4〕好みで砂糖を追加したり、シナモンスティックを添えたりして飲む。(キリンビール提供)

 【マザグラン】

 〔1〕耐熱グラスに好みで黒砂糖などを入れ、コーヒー(100cc)を注いで十分に溶かす。

 〔2〕温めた赤ワイン(40cc)を加える。

 〔3〕オレンジスライスを(2)に浮かべる。

 〔4〕ソーサーにシナモンスティックを添える。(ジャマイカコーヒー輸入協議会提供)

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