事件・不祥事
コインチェックから流出した仮想通貨、現金化の動き 海外交換所に持ち込み
仮想通貨交換業者「コインチェック」(東京)から当時のレートで約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した事件で、ハッカー側がネムを資金洗浄して得た仮想通貨「ビットコイン」の一部を海外の仮想通貨交換所に持ち込み、現金化しようとした形跡があることが21日、捜査関係者への取材で分かった。事件は26日で発生から1年を迎えるが、現金化の動きが確認されたのは初めて。警視庁は仮想通貨相場の下落傾向を受けて、現金化を急いだ可能性があるとみている。
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複数の関係者によると、海外の仮想通貨交換所に持ち込まれたのは、現在の相場で数万から数十万円分のビットコイン。買い手があったかは確認されておらず、実際に換金されたかは不明だ。少額の現金化で、事件の動きを追う捜査当局や、サイバー攻撃に対処する「ホワイトハッカー(正義のハッカー)」と呼ばれる技術者、セキュリティー専門家らの出方を探っているとみられる。
これらのビットコインは、ハッカー側が事件後、サイバー攻撃でコインチェックから盗み取った約580億円相当のネムの大部分を匿名性の高いネット空間「ダークウェブ」で交換したものとされる。当時、ダークウェブ上に開設したサイトで相場より15%ほど割安の提供を持ちかけ、1カ月余りで交換が完了していた。