海外の富裕層が押しかける「がん診療所」 ほとんどの日本人が知らない理由
配信元: 更新ご存じのように、抗がん剤を用いた「全身化学療法」は重い副作用がある。その辛さは筆舌に尽くしがたいものがあり、がん患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を大きく損ねるが、動脈塞栓術の場合は「全身化学療法」の10分の1程度の量で済むため、副作用が少ないのはもちろんのこと、薬にかかる費用もかなり少なく抑えられるメリットがあるのだ。
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また、マイクロカテーテルという細い管を脚のつけ根の動脈に差し込むだけなので、お腹や胸にメスを入れるなどの手術が必要ない。ほとんどの患者は1回の治療で2泊3日の入院で済むため、外国人の場合はすぐに飛行機で母国へ帰ることができる。つまり、副作用的にも、経済的にも、そして身体的にも負担が少ないがん治療と言えるのだ。
いやいや、いくら負担が少ないからっていても、がん治療なんだからそれなりの効果がなくちゃなんの意味もないだろ、という声が聞こえてきそうだが、効果に関しても目を見張るものがある。
実は筆者は掘医師の執筆のお手伝いをさせてもらった関係で、1万件の実績の中で、いくつかの治療経過を拝見した。他の病院でがん免疫チェックポイント阻害薬という新しいタイプの治療薬を用いてもなかなかいい結果がでず、「余命3カ月」を宣告されるほど大きくなったがんが、堀医師による動脈塞栓術を受けた途端に半分程度に縮む、というようなケースを無数に目にしている。中には、「兵糧攻め」によって、がんがほとんど消えてしまうようなケースもあった。