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破壊された「聖地」のレトロ自販機が復活 名古屋市のメーカーが無償修復

SankeiBiz編集部
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昔の味わいを何度も噛みしめる

 「私は復活第2号のハンバーガーをいただきました。昔食べた記憶では、パンがかたかったり、やわらかったりして均一でなかったのですが、昔食べたハンバーガーよりもおいしかったですね」

 原さんにとっても復活第2号のハンバーガーの味は忘れられないものだったようだ。ハンバーガーは食品会社の知り合いに齋藤さんが頼んで作ってもらった特注品。「昔風のチープ」(齋藤さん)な味わいを何度もかみしめた。

 ちなみに、復活第1号のハンバーガーを買ったのは、エッチアイ技研のCAD 検査主任、濵田雄治さんだった。原さんは「私が第2号のハンバーガーを買った1秒後に、一般のお客さんが買っていました」と話す。1秒というのは少し大げさかもしれないが、それほど多くのファンが復活を待ち望んでいたということだろう。

 話題になった事件の防犯カメラ映像には、カップルで訪れた若い男が、小銭を自販機に何度か投入しても返却されてしまうことにいら立ち、こぶしで強くボタンを殴っている様子が映っていた。一緒にいた女性は、その様子をスマートフォンで嬉々として撮影しているようにも見える。この映像はSNSやテレビの情報番組で繰り返し流されたが、逃げた男の足取りは今も不明で、齋藤さんは「犯人はまだ捕まっていません。警察は『捜査はしている』とは言うのですが…」とため息をつく。

【関連記事】“聖地”のハンバーガー自販機が10月復活へ「できる限り修復」オーナーの願い

 思い入れの強い自販機を壊された齋藤さんのショックは大きいが、無事に復活した自販機を前に「お客さんが喜んでくれる。感謝しかない」と、少しずつではあるが、心の傷も癒えつつあるようだ。

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