ロングシートで堂々と横に
昨年3月に運行が終了した近畿日本鉄道の行商人専用列車「鮮魚列車」では、ロングシートを寝台代わりに使って休息を取る行商人もいたようだが、通常の列車ではもちろん、ロングシートで横になるのはご法度。それが、関東鉄道の夜行列車では堂々とロングシートに横になれるのだから、それだけでも貴重だ。
急行夜空号は午後11時45分、つくばエクスプレス(TX)と接続する守谷駅を出発。常総線の取手駅-下館駅間全線を往復し、翌朝午前5時40分に守谷駅に戻ってくるというダイヤ。スジと呼ばれる列車のダイヤを作成する職人「スジ屋」でもあった高橋さん渾身の特別ダイヤだ。途中駅では、乗客向けの撮影会も企画されており、高橋さんは「保線部門など社内の関係各所と調整し、夜行列車の運行が実現しました」と感慨深げだ。
列車は約40年前に製造された旧型気動車のキハ0形、キハ310形の3両連結で、定員はわずかに36人。今月7日正午から、関鉄観光ホームページの専用申し込みフォームで先着順に受け付ける。
ノスタルジーに浸ることのできる令和の夜汽車の旅。寝台は少し窮屈だろうが、夜汽車ファンには何物にも代えがたい、ゆったりとした上質の時間を過ごせそうだ。高橋さんは「窓越しに星空を見ながら、ゆったりとした関東鉄道の旅を楽しんでいただければ」と話している。