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NTT東が福利厚生向けにeスポーツ大会運営を外販、司会や通信環境など一括提供

 NTT東日本が、コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」イベントの運営支援サービスを企業向けに販売することが13日、分かった。新型コロナウイルス禍で社員向けのレクリエーションとして旅行や運動会ができなくなった企業から、eスポーツイベントを代わりに開催したいと相談を受ける機会が増加。イベントの司会派遣や通信環境整備などを一括して提供する。

 NTT東のeスポーツ事業子会社「NTTe-Sports」が、商品開発などを進めており、8月中にも発表する。価格は1イベント当たり50万~100万円程度を想定。9月ごろに営業を開始する。

 新型コロナの感染対策でテレワークが広がる一方、失われがちな社員どうしや新入社員とのコミュニケーションの維持向上を模索する企業の間で、若者を中心に人気が高まるeスポーツが、福利厚生の一環として注目を高めているという。

 NTT東はコロナ禍の昨年以降、都内の情報通信企業などから、eスポーツイベントを開催したいという相談を受けて個別に対応してきたが、費用がわかりにくいという欠点があった。

 販売にあたり、司会などスタッフの派遣費用、通信環境の整備費用などをイベントの参加人数も踏まえ、数パターンに分けてパッケージとして商品化する。「秋口のレクリエーション向けに100件ぐらいはニーズがある」(NTT東首脳)と見込む。

 eスポーツは、通信環境の整った所有施設の活用など既存事業との親和性が高いため、NTT東は昨年1月に新会社を立ち上げた。コロナ禍で実際の会場を使ったイベントを開くことが困難になり、新たな事業展開として企業のレクリエーション向けにイベントの売り込みを強化することを決めたという。(大坪玲央)

 eスポーツ パソコンや家庭用ゲーム機を使ってゲームの腕を争う競技。Eは「ELECTRONIC(電子の)」の頭文字。2000年ごろから使われだした言葉で、サッカーや格闘技ゲームなど種目は幅広く、観客は大型モニターや動画投稿サイトなどで観戦できる。プロ選手もおり、世界大会も多数ある。国内でも専門施設や教室などが増えている。国際オリンピック委員会(IOC)は今年5~6月、野球やレーシングゲームの公認大会を開いた。

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