東京五輪開幕前後の4連休に飲食店の客足が急増し、今年4月以降の自粛期間中で最も多かったことが27日、テーブルチェックのまとめで分かった。東京では4度目となる新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令されているが、同社の担当者は「緊急事態宣言の意義が薄れていることは明らか。自粛慣れと自粛疲れから外食する層が拡大してきている」とみている。
営業再開に踏み切る店舗も増加
テーブルチェックによると、飲食店の来店人数は各地で自粛が解除された3月下旬の水準に回復。大阪などで蔓延(まんえん)防止等重点措置が出た4月5日以降も増加傾向が続き、今月22日~25日の4連休には、週平均来店人数が前週比120%の30.9人と自粛期間中で最多となった。3度目の緊急事態宣言発令後3週目(15.4人)と比較し、ほぼ倍増した形だ。
国内では26日、新たに4692人の新型コロナウイルス感染者が確認され、東京は1429人と月曜日としては過去最多を記録。感染力が強いインド由来のデルタ株への懸念が高まっている。一方、飲食店の中には「ワクチン接種が進んでいることもあり、アクリル板を設置するなどの感染対策を行って営業再開に踏み切る店舗も増えている」(担当者)という。
ただ、酒類提供が伴うディナー時間帯の時短営業要請が長期間に及んでおり、ディナー時間帯は2019年比で7割近くも落ち込んでいる。日中のランチ時間帯が同比28.0%減にまで回復したのとは対照的だ。
飲食店にとって収益率の高いディナー時間帯は回復には程遠く、同社は「全国的に飲食店の客足は増加傾向を続けているが、ディナー時間帯の客足が戻らなければ、飲食店の経営は厳しい状況が続くとみられる」と分析している。