居酒屋やレストランなど飲食店のランチタイムの売り上げが初めて、ディナータイムの売り上げを上回ったことが22日、「テーブルチェック」(東京)の調査で分かった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた時短営業や酒類提供の自粛要請が響いたとみられる。
ディナーは2年前の5分の1に
「今年に入ってランチ帯(需要)がディナー帯を上回る逆転状態がずっと続いている。こんなことは初めてだ」。テーブルチェックの担当者は驚きを隠せない。
1店舗あたりの平均来店人数(6月)で比較すると、コロナ禍前の2019年はディナータイム約34人、ランチタイム約26人だったが、今年はディナータイムが約6人と、5分の1以下までに落ち込んだ。ランチタイム需要も約13人とコロナ禍で半減したが、ディナー需要を2倍以上も上回る結果になった。飲食業界でランチ需要が継続的にディナー需要を上回る「逆転状態」が続くのは初めてという。
ディナータイムの売り上げの落ち込みは底なしの様相を呈し、主力だったディナー需要をランチ需要が2倍以上上回るという“異変”が生じている。
10都道府県で発令された緊急事態宣言は21日、沖縄を除いて解除され、飲食店の酒類提供自粛などの制限が緩和された。ただ、蔓延(まんえん)防止等重点措置に移行した東京都では、1グループ2人まで、滞在時間90分以内といった制限が設けられており、担当者は「営業が完全に解禁されたわけではないので、客足が回復するのはランチ帯が中心になるだろう」とみている。