マツダ、EVで意のままの走り実現
マツダ商品本部主査・竹内都美子さんに聞く
--今年1月にスポーツ用多目的車(SUV)「MX-30」の電気自動車(EV)モデルを国内で発売した
「走りの主な特徴は3点ある。1点目として、バッテリーパックを骨格とし、非常に高剛性で低重心な特徴を生かした上質な乗り心地を実現した。2点目は、緻密な制御で従来の車よりも進化した『人馬一体』の走りだ。3点目に、加速状況に応じたトルクの状態をドライバーが無意識に認知できるようにすることを考えた。モーターペダル、モータートルクと連動したサウンドを発生させることで、ドライバーの意のままの走りができるようにした」
--マツダとしては初の量産EVだ。ユーザーからの反応は
「欧州では昨年9月から販売しているが、以前からマツダ車を利用している人だけでなく、初めて手に取る人にも、マツダの車づくりの考え方に共感してもらっている。特にデザイン、高い質感、EVの純粋に楽しい走りが好評を得ている。国内でEVモデルを投入するにあたって、販売店から話を聞いていても、EVモデルの購入を検討するユーザーは車がEVであること自体を重視していることが分かった」
--EVモデルの航続距離は256キロ。国内で昨年10月から販売しているマイルドハイブリッド(MHV)モデルとの魅力の違いは
「MX-30は、創造的で新しい車との過ごし方を求めている点はいずれのモデルも共通している。環境への貢献に高い関心をもっている人にはEVモデルの方を選んでもらいたい。航続距離が必要だという人にはMHVモデルを用意している。2つのラインアップをそろえ、各国・地域の電源構成や規制、ユーザーからの要望を踏まえて順次展開していく」
【プロフィル】竹内都美子 たけうち・とみこ 九州工業大情報工学部卒。1997年、マツダ入社。テストドライバーとしてミニバン「プレマシー」の総合商品性評価を担当。コンパクトカー「MAZDA2(旧デミオ)」の性能開発を経て、2015年から現職。