金融
米大統領選、その後の4つの経済シナリオ バイデン勝利なら日本経済に逆風も
やりにくい相手
みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは「バイデン政権なら日本に風当たりが強まる。やりにくい相手だ」と指摘する。伝統的に日米同盟を重視する共和党と異なり、民主党政権はクリントン政権の日米自動車摩擦など対日交渉で強い態度に出たケースが多い。
また、菅義偉首相の「2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロ」にする目標はバイデン氏も公約しているが、実は多くの国が既に同じ目標を表明済み。首相が所信表明演説で唐突に宣言したのはバイデン政権誕生で国際的に孤立するのを防ぐためとの見方が強い。東日本大震災後の相次ぐ原発停止で日本の排出削減は遅れており、米国で温暖化対策が具体化すれば対策強化を求める圧力が強まる。(田辺裕晶)