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シャープのプラズマクラスター、空気中の新型コロナ減少 生活環境では未確認
シャープは7日、独自の「プラズマクラスター技術」で、感染性のある空気中の新型コロナウイルスを減少させる効果が実証されたと発表した。同社によると、イオン発生装置で飛沫(ひまつ)感染の原因となる空気中の新型コロナの減少効果を実証したのは世界初という。
独自技術で新型コロナを不活化させる効果は、他の家電メーカーでも実証済み。もっとも、実験の場でなく生活環境で製品を使った場合の感染予防効果は、シャープも含め確認していない。
シャープによると、プラズマクラスター技術はプラズマ放電で空気中に水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンを発生させる。空気中の菌やウイルスなどの作用を抑えることで消臭効果などが期待できるとし、同社はエアコンや空気清浄機にイオン発生装置を搭載している。
シャープが6月から長崎大と共同で行った実験では、容積約3リットルの密閉空間に新型コロナが入った液体を噴霧し、回収するまでの30秒間にイオン発生装置を作動させることで、感染性のあるウイルスの数を91・3%まで減らすことができた。
ただ、実験はウイルスの漏れを防ぐため小型の密閉容器内で行っており、生活環境と同程度の条件で製品を使用した際の感染予防効果は確認されていない。7日の発表会見に出席したシャープの沖津雅浩専務は「次のステップとして、より実使用に近い条件での効果検証を進める」とした。
電機メーカーでは、これまでにダイキン工業が「ストリーマ技術」で、パナソニックが「帯電微粒子水」で実証実験を行い、物に付着した新型コロナの作用を抑える効果を確認している。だが、それぞれの技術をエアコンや空気清浄機などで活用した場合の感染予防効果については不明としている。