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コロナの「第2波」テレビはどう備える? “決定打”見当たらず…苦しい模索

 同志社女子大の影山貴彦教授(メディアエンターテインメント論)は、感染対策と同時に、コロナ禍の中でも持続的に番組制作できる手法を考案すべきだと話す。「演出にいろいろな足し算をしすぎたのが最近のテレビ番組」と指摘し、シンプルな演出で見せる方法を提案する。例えば、「ラジオドラマはじっくり聞くと面白い作品がたくさんある。ラジオドラマのようなものに、(簡単な)画像などを絡めて見せるようなものはどうか。そうした古くて新しい作品も生まれてくるべきだろう」と話す。「第2波」の襲来で避けられないとみられる再放送も、名作の「再放送の権利」のクリアに局側の一層の努力が必要と指摘した。

 テレビ各局も無策だったわけではない。俳優が1人で収録し、それを編集して完成させるリモートドラマには各局が挑戦。NHKも5月下旬と6月上旬の2週にわたって、坂元裕二脚本によるリモートドラマ「Living」を放送した。

 だが、最初こそ目新しかったものの「単調な画面」は隠しようもなく、総じて低調に。影山教授も、厳しい環境下での制作だったことを考慮しつつも、「本当に素晴らしい作品ならばまた見たくなるが…。努力賞・敢闘賞かな」との評価にとどまっている。

 バラエティーには新スタイル

 一方、バラエティー番組では「リモート収録」や、リモートを使った生放送のクイズなど、さまざまな収録手法、放送の仕方を生み出し、新たなスタイルが確立されつつあるようだ。

 「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」など、一般の人と触れ合うようなバラエティー番組が比較的多いテレビ東京では、「収録もリモートを使ってうまくやる状況ができている。制作担当者は新しいテレビの作り方をこの何カ月かで学んできた」(石川一郎社長)と、ある程度の手応えがあったことを明かした。

 この知見は一条の光ではあるが、放送全体でみると楽観はできない。フジテレビの石原隆取締役は、「(ドラマの枠は)ドラマを楽しみにされている可能性が高い枠。だから基本はドラマ(の再放送)がいいが、劇場映画をかけるなど、柔軟にアイデアを出していきたい」と語る。厳しい「第2波」では、新作の収録・放送が再び難しくなる可能性があることを示唆した形だ。テレビ各局には、リモートをはじめとする新たな手法をさらに磨き上げ、同時に、過去の名作や演出手法に“温故知新”を見いだすことが求められそうだ。

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